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日立1500年の歴史・文化を舞台化 日立市玉手箱実行委員会 |
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8月に行われた「日立の玉手箱」プレ公演の一場面。
バックには日立市の歴史などがよくわかる映像が映しだされている |
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寺田さん |
市民参加の「オペラ・ミュージカル 日立の玉手箱」
日立市市制施行80周年記念事業として、市民参加の「オペラ・ミュージカル 日立の玉手箱」が2020年3月28日、29日に日立市民会館で上演される。物語は、日立の澳津説(おきつせ)神社に遊びにきた子どもたちが巨樹スダジイの精霊、スダ爺(じい)と仲良しになることから始まる。スダ爺が7つの玉手箱を開けると、日立1500年の歴史が歌や踊りで次々と演じられ、それを見た子どもらは感動する—という話の流れ。テーマは、自然と人間の共生。同オペラを企画した日立市玉手箱実行委員会事務局長の寺田誠さん(77)は「日立市の歴史や文化遺産を後世に伝え、次世代のまちづくりにつなげたい」と話す。
「日立の玉手箱」の作曲・台本・総監督を務めるのは演出家、作曲家の仙道作三氏(74)。寺田さんはかねがね、日本の古典文学や近現代文学などを題材にした仙道氏のオペラの大ファンだったという。4年ほど前、寺田さんが神社の歴史や風土などを研究していて興味を持った日立市大甕(おおみか)神社の民話「宿魂石物語」をオペラにできないかと仙道氏に相談。すると仙道氏から「『常陸国風土記』のように、日立の歴史や産物などを盛り込んだ物語にしたら」と言われた。そこで寺田さんが関係資料を収集するなどして、実現したのが「日立の玉手箱」だ。
同オペラでは日立市の古代から現代までの歴史が舞台で演じられ、登場する場所は御岩神社、桜塚碑など市内25カ所に上る。出演者は、日本オペラ界で新進気鋭の歌手や日立市出身の歌手、合唱団のほか、市内の子どもたちやボランティアなど多士済々だ。
民話「宿魂石物語」には神代の昔、現在の日立市大甕一帯を治めていた甕星香々背男(ミカホシカガセオ)が登場する。同オペラではエピローグで日立市出身のオペラ歌手が演じる香々背男が月になり、夜空から見守るという設定だ。第3の玉手箱「水戸光圀と日立〜七夕磯〜」では、市内の女子中高生が合唱とバレエを、能楽師が能を舞う。また、同「暇修館(水戸藩の郷校)」では、江戸時代後期の漢詩人、大窪詩仏の詩「桜」の歌をバックに津軽三味線が流れる。同オペラの中では市内の小中学生の詩が採用され、第1の玉手箱「泉が森と小貝浜」などで歌われるのも注目される。これら楽曲は、西洋や東洋のあらゆる音楽要素が入っており、シンセサイザーやピアノ、パーカッション、津軽三味線ほかで演奏される。
「(自分が)種をまいて育て舞台で演じられる様を見ると、何ともいえません。想像以上のものができあがっています」と、寺田さんは感無量の面持ちだ。日立の玉手箱実行委員会代表世話人の森秀男さん(84)は「大人から子どもまでが楽しめる市民参加のオペラ・ミュージカルを通して、日立の素晴らしさを共有しましょう。ぜひ、見に来てください」と呼び掛ける。 |
「オペラ・ミュージカル 日立の玉手箱」
2020年3月28日(土)午後5時、29日(日)午後1時、日立市民会館ホール(JR日立駅徒歩15分)で。チケット発売は2019年12月1日(日)から日立シビックセンター、日立市民会館、多賀市民会館ほかで。一般3000円(予定)。協賛金を募集中。問い合わせは寺田 Tel.0294・34・2858 |
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