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ことし6月に開催された第5回「にじいろコンサート」のセッション |
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村上さん |
障害者に楽器演奏、作曲など指導…10月にコンサートも
音楽の持つ力を意図的に使って心身の健康向上を図る音楽療法。東海村の「音楽療法の会 東海メロディア」は、県内の障害者グループや施設で音楽療法を取り入れた音楽指導を行っている。10月12日、同村で開催される第6回「にじいろコンサート」に東海メロディアの生徒も参加、その成果を披露する。同会代表の村上邦子さん(71)は「障害者と健常者の演奏家の合同公演です。障害者やその家族、音楽好きの人などが、互いの心を開放し合える場所を目指しています。ぜひ一度、来てください」と話している。
小学校教員をしていた村上さんは50歳のとき転居のため退職。「養護学校教諭の資格を持っていましたが、現役時は使う機会がありませんでした。退職後のあるとき、障害者支援施設を見学する機会がありました。先生が音楽指導を始めると、暴れていた子が楽しそうに参加する様子などを見て、『私がやりたかったのはこういうことではないかしら』と感じたのです」
この体験をきっかけに独学で音楽療法を学び、退職後約5年で東海メロディアを設立した。現在、講師3人、ボランティア10人で運営している。主な活動は、東海村総合福祉センター「絆」内にある「障がい者センター」や「東海村心身障がい児者親の会」の有志グループなどで、障害者に合奏や太鼓演奏、作曲などを指導している。
「指導するときは、相手を『待つこと』が大切です。まずは不安感や疎外感を取り除いてスムーズに集団に入れるように気を配ります。『自分の存在が認められている』と相手に感じてもらうことが第一歩です」と村上さん。
楽器演奏を指導する際も「『あなたの出す音が合奏には必要なのよ』というメッセージが伝わると、自分のメロディーが出せたとき喜んでもらえます。みんなの呼吸が合って演奏がピタッと止まった瞬間にグループの一体感を味わってもらえるのです」
また、楽器を持つことができない身体障害者には作曲指導を行うことも。村上さんが考案したいくつかのリズムパターンを用いて、生徒に口頭などでメロディーを作ってもらう。「作曲は知的好奇心を満足させ、感情も表現できます。やってみると、楽しいみたいで生徒には好評です」と村上さんはほほ笑む。
東海メロディアが指導した生徒らも出演する「にじいろコンサート」は、3年前から6月と10月の年2回開催している。
コンサートを10月に
村上さんは、「障害者も健常者も『私がいて良かった』『存在していることが大事なんだ』と思える場面をこのコンサートで作りたかったのです」と、同イベントの意義を語る。当日は、障害者や健常者の演奏のほか、出演者と来場者が一体になるセッションも行う。10月のテーマは「おすそわけ」。「コンサートですてきな音楽を聞いて心地よかったら、その心地よさをどなたかにおすそわけしてください」
音楽指導の料金など問い合わせは東海メロディア・村上 Tel.090・9203・6309 |
♪第6回「にじいろコンサート」♪
10月12日(土)午後1時、東海村産業・情報プラザ「アイヴィル」(JR東海駅徒歩3分)で。入場無料。
出演:榎宣幸、桜井敏幸、ココナッツ石井、市村明日美、安弘子ほか。予定曲:「糸」「ラデツキー行進曲」ほか。東海村、東海メロディア共催。
なごみ東海村総合支援センター Tel.029・287・2525 |
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