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癒やしの明かり「ひょうたんランプ」制作 那珂市・川又恵子さん |
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昨年8月に茨城県植物園で開催された「ひょうたんランプ展」 |
茨城県植物園で展示会
ヒョウタンの透かし彫りの図柄が明かりに浮かぶ「ひょうたんランプ」。そこからこぼれる光は、壁や天井を彩り、人々を癒やす。8月15日〜18日、那珂市の茨城県植物園で「ひょうたんランプ展」が開かれる。展示される約100点全ては、同市の川又恵子さん(63)が花などをモチーフにした作品だ。「ほのかな明かりを楽しんでください。ほっとできる空間に、ぜひいらしてください」と、来場を呼び掛けている。
東日本大震災の被害に心を痛めるあまり、気がふさいでしまったという川又さん。「何かを始めて、前向きな気持ちを取り戻そう」と考えていたとき、たまたま訪れた喫茶店でひょうたんランプに出合った。「明かりに魅了され、『私も彫ってみよう』と思い立ちました」。以前、歯科衛生士として働いていた川又さんは、虫歯予防や診療補助で得た器具類の知識を応用するなどして、ひょうたんランプを作り始めた。
川又さん |
材料は知人から譲り受けたヒョウタンのみ。底にドリルで穴を開け、1週間から10日ほど、水に漬ける。腐食した中身を取り出し、乾燥させてから制作に入る。
モチーフの多くは、菊や桜といった花。電動ルーター(彫刻器具)などを使い、繊細な図柄の透かし彫りを施す。明かりをつけると広がる幻想的な空間と、消したときの図柄そのものの両方が楽しめるという。
2014年からは毎年、茨城県植物園でひょうたんランプ作品展を開催している。「その年(14年)の2月、友人たちと『小さなおひなさま展』を開催し、展示品の一つとしてヒョウタンで作ったおひなさまを飾りました。好評だったので、『8月にひょうたんランプ展を開催していいですか?』と植物園に伺いました」
大作は1カ月以上
ひょうたんランプを作り始めて以来、図柄のデザインには、特に工夫を重ねる。「すてきな図柄の座布団やカーテンなどを見つけたら、お店の許可を頂いて写真を撮ったりします。雑誌や図鑑などのデザインも参考にしています」
ひょうたんランプの高さは、約10センチ〜約80センチ。これまで制作した作品は約500点に上る。小さい作品は3〜4時間くらいで完成するが、大作だと1カ月以上かかる。「小さい作品では、ヒョウタンに直接ラインを入れ、マークを付けますが、大作はバランスを取るために小さいヒョウタンに試し彫りをしてから下絵を描きます。彫る時間は大作の菊の場合、一つの菊に3〜5時間ほどかけています」。大まかに彫った作品に光を入れた上で、イメージ通りの場所に光が届くようにするなど、細かい修正を加えて仕上げるという。
「作品展に来ていただいた人に『ほっとする』と言われると、とてもうれしいです。『今年は昨年と違うね、きれいだね』などと言われると励みになります。作品展という目標があるから、楽しみながら頑張ろうという気持ちになります」と目を輝かせる。
川又さんは依頼があれば、茨城県植物園や地域の交流センターなどのひょうたんランプ作り講座で、講師も務めている。 |
◆ ひょうたんランプ展 ◆
8月15日(木)〜18日(日)、茨城県植物園(JR瓜連駅からタクシー)展示室で。
川又さんが制作したひょうたんランプ約100点を展示する。15日、16日(金)は午前9時〜午後4時半。ナイトガーデンが開催される17日(土)と18日は午後9時まで時間延長。
同園(月曜休園)の入園料は一般300円、70歳以上150円。問い合わせは茨城県植物園 Tel.029・295・2150 |
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