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  茨城版 平成31年4月号  
「見た人が温かな気持ちになれば…」  日立市出身のイラストレーター・ミウラナオコさん

ミウラナオコさん。日立市役所庁舎建て替えを記念して、旧庁舎で行われたお絵かきイベント「ひたちカコ・イマ・ミライ2017」で。「ありがとうがいっぱいのへや」では、ミウラさんが描いた形(顔の形)に、市民などの参加者たちが、目、鼻、口を壁や床いっぱいに描いた
茨城国体マスコット「いばラッキー」をデザイン
 「いきいき茨城ゆめ国体」(第74回国民体育大会)が、9月28日(土)~10月8日(火)に、「いきいき茨城ゆめ大会」(第19回全国障害者スポーツ大会)が、10月12日(土)~14日(月・祝)にそれぞれ開催される。その国体の顔として大活躍しているのが、マスコットキャラクター「いばラッキー」だ。作者は、日立市出身(現・東京都目黒区在住)のイラストレーター・ミウラナオコさん(57)。これまで広告や書籍など幅広い分野で活躍してきたという。「『いばラッキー』のママと呼ばれたいです。見る人が温かな気持ちになればうれしいですね」とミウラさんは話す。

 ミウラさんは母が洋裁の先生、兄は絵の専門学校に通い、さらにイラストレーター田中靖夫を叔父に持つ、アートを身近に感じる環境で育った。高校卒業後は文化服装学院を経て、母の勧めで自分探しのため単身渡米。ニューヨークに1年間滞在し、美術館や美術教室などに通った。「似顔絵が得意だったので、ホームステイ先でコミュニケーションの手段として似顔絵を描き始めました。絵は世界共通語です」

 美術館でポストカードを収集していたミウラさんだが、やがてポストカードを制作する側になりたいと思うようになった。日本に帰国後、イラストレーターの叔父から雑誌にカットを描く仕事を紹介され、イラストレーターの事務所で働くことに。先輩のアドバイスで公募展に応募すると、それがきっかけでイラストの依頼が来るようになり、カレンダー、広告など幅広い分野でイラスト制作に励んだ。

  「『絵は一瞬』でつながれます」。ミウラさんがイラストで伝えたいと心掛けてきたのが「ハヒフヘホ」。「“ハ”ッとする」「何かの“ヒ”ントになってほしい」「“フ”ッと軽くなる」「“ヘ”ェーそうなんだ」「“ホ”ッとしてほしい」―。

 また、自身の作品のモチーフについては、「描きたいのは顔です」と話す。デフォルメして、“人間みたいな動物”、“動物みたいな人間”をよく描くという。「『この人は何を感じているか』を描きたいです。絵を見た人が絵の中に入ってきて、自由に感じてほしい。忘れていた大事なものを思い出してほしいです」

 ミウラさんが大切にしていることは、自己肯定感。「完璧じゃないけど、それぞれはそれぞれでいい。完璧ではなく、どこか崩れている、でも本人は満足する、愛(いと)おしさがあります」


いばラッキー
 2014年、ミウラさんは友人たちの後押しで「いきいき茨城ゆめ国体」「いきいき茨城ゆめ大会」マスコットキャラクターに応募、見事選ばれた。応募作品は、「いきいき」「ゆめ」「国体」、大会スローガンの「翔べ」「羽ばたけ」「未来」と、ミウラさんのテイストである「顔」「ハッとする」などをバラバラに混ぜて抽出して絵にしたという。「顔は大きく強調し、黄色でいきいきさを表現しています。足はジャンプするので力強くした方がいいかなあとブルーにしました」

 「いばラッキー」の名前は公募で決まった。「見る人が元気になってくれればいいなあと思い描きました。茨城国体を知っていただき、関わって思い出をつくっていただきたいです」

「PINK na kimochi」
 2日(火)~6日(土)、Gallery×Cafe Jalona(ジャローナ、東京都港区赤坂2の6の22 デュオ・スカーラ赤坂ⅡB―102、地下鉄赤坂駅徒歩2分)で。正午~午後7時(最終日は午後5時まで)。入場無料。ミウラナオコ、中澤眞実(フラワーデザイナー)、日立市出身の二人展。
 問い合わせは Tel.03・3587・6810
「いばラッキーのママ ミウラナオコ展」
 9月17日(火)~11月30日(土)、常陽史料館(JR水戸駅よりバス)で。午前10時~午後5時45分。入場無料。ミウラナオコが、イラストレーターとして活動してきた約30年間の作品などを展示。
 問い合わせは常陽史料館 Tel.029・228・1781

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