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子育て支援で街づくり 常陸太田市のNPO法人「結」理事長・塩原慶子さん |
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塩原さん |
土蔵づくりの蔵など古い街並みが残る常陸太田市“鯨ヶ丘”。「特定非営利活動法人（NPO法人） 結（ゆい）」は、その鯨ヶ丘商店街の一角で運営するコミュニティーカフェ「Cafe+1」を拠点に子育て支援などの活動を行っている。3月でオープン10周年を迎え、同法人理事長の塩原慶子さん（62）は、「『Cafe+1』を通じた人とのつながりがさらに大きな人の輪を生んでいます」と確かな手応えを感じている。6月3日（日）には、子育て支援団体など市内外の約40団体に呼び掛け「子子育（ここいく）メッセ」を開催する。
コミュニティーカフェ拠点に助け合い
「Cafe+1」を立ち上げることになったのは、塩原さんが街づくり活動で知り合った女性たちと栃木・黒磯で評判のコミュニティーカフェ「1988CAFE SHOZO」を見学したのがきっかけ。街づくり活動で県から助成金を受給するには「新規の店舗オープン」という条件があり、どんな店がいいかと検討していた塩原さんらが現地に行くと、いわゆるシャッター通りの商店街であるにもかかわらずカフェがある一角だけ県内外の客でにぎわっていた。それを見た塩原さんらは強い衝撃を受けるとともに、あるアイデアがひらめく。
「Cafe+1」の外観（上）と
落ち着いた雰囲気の店内（下）
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結婚を機に、よその土地から移り住む女性も多い常陸太田市では、知り合いが少なく子育てで悩んでいる人も多い。そのことが頭にあった塩原さんらは、「人が集い、つながれるようなカフェを運営しよう」と思いつく。そして08年、鯨ヶ丘商店街の中で空き店舗だった家具店を改装し、コミュニティーカフェ「Cafe結+1」を立ち上げた。「結」とは、田植えなどの農作業を互いに助け合うことで、それに新しい何かができるという意味で「+1」を付けた。
「店を立ち上げた仲間の中にはガーデニングが得意な人、ケーキ作りが得意な人などがいました。当初は仲間の力を集めてカフェで寄せ植え教室を開催したり、作ったケーキを提供したり、また子育てママのおしゃべり会も行いました」と塩原さんは振り返る。
開店3年後、東日本大震災が発生する。塩原さんは「カフェのような『ゆとり』のある施設を続けるかどうか迷った」という。しかし、「『地震のときは大変だったね』などとみんなで話すことによって、気持ちが整理できて一歩進めるのだと気付き、カフェを続けることにしました」。
カフェオープンから5年がたった13年、「特定非営利活動法人 結」を結成し、店名を「Cafe+1」に変更した。現在カフェでは、1歳未満の第1子を持つママさんがベビーマッサージなどを行う「あそびの会」や、子ども連れでも参加できる「ストレッチ教室」などを月2、3回開いている。また随時開催しているのが、常陸太田市名物「太田ちまき」の入れ物でショッピングバッグの竹籠を作るワークショップ。「常陸太田の楽しいこと、いいものを伝えたいですね」と塩原さん。「結」の会員は30代〜80代の約40人。
6月3日（日）には、「子子育メッセ」を開催する。同メッセは3年前から「結」が市から委託され、読み聞かせの会や助産師の会など市内外の約40団体に呼び掛けて年2回行っている。「子育てにやさしいまち・常陸太田」をアピールするイベントだ。「『子子育捜査本部体験』や『段ボールハウス作り体験』など子どもから大人まで楽しめるイベントが盛りだくさん。ぜひ、お孫さんと参加してください」と塩原さんは呼び掛ける。「Cafe+1」の定休日は毎週木曜と第1水曜、第3日曜。 |
「子子育メッセ」
6月3日（日）午前10時〜午後3時、総合福祉会館（JR常陸太田駅徒歩10分）で。
市役所から無料シャトルバスあり。イベント参加者は上履き持参。次回は秋開催予定。入場無料。
問い合わせは特定非営利活動法人 結（「Cafe+1」）Tel.0294・72・8860
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