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妻と地元に恩返し…私財投じ子育て支援施設建設 日立市の「城の丘豊生会」理事長・宮本豊幸さん |
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宮本豊幸さん(左)と道子さん夫妻。「お母さんから『助かりますよ』とか、子どもたちから『ここでずっと遊んでいたい』と言われると良かったと思います」とうれしそう |
「城の丘じゅうおうランド」
日立市の特定非営利活動法人城の丘豊生会が運営する「城の丘じゅうおうランド」。同施設は、同会理事長の宮本豊幸さん(69)が私財を投じて建設した子育て支援施設だ。地元の子どもたちが放課後、安心して楽しく過ごせる学童保育を行っている。「今後は子どもたちだけではなく、地域のさまざまな年代の人たちが生きがいを持ってのびのびできるような楽しい居場所にしていきたいですね」と宮本さんは話す。
宮本さんは郵便局を定年退職後、ボランティア活動などを続ける中で次第に施設建設を構想するようになったという。その理由を宮本さんは明かす。「妻はもともと保育士をしていましたが、私の転勤や両親の介護などで、仕事を続けることができませんでした。そんな妻と、地域への恩返しのつもりで子育て施設建設を思いついたのです」
完成した「城の丘じゅうおうランド」は、約300平方メートルの木造平屋建てで、大ホールや小ホール、学習室、管理室、カフェを備えている。今年3月から子どもたちを受け入れ始め、4月には特定非営利活動法人「城の丘豊生会」を立ち上げた。施設長には宮本さんの妻・道子さん(69)が就任。施設運営の傍ら、カフェではランチづくりにも腕を振るう。「会員になればカフェで500円ランチを召し上がっていただけます。高齢者や子育て中のお母さんもくつろいでいますよ」と道子さん。
子どもたちの送迎や見守り、事務などを行うスタッフは、30代〜70代のボランティアを含め約20人。施設の1日は、まだ子どもたちのいない午前中は、高齢者などが気軽に訪れ、ホールがコーラスなどのサークル活動などに使用されることも。学校が終わる時間になると、スタッフが小学校などに子どもたちを迎えに行く。毎日約20〜30人の子どもが集うという。
「施設内の主なルールは子どもたちに決めさせました。あいさつ、手洗い、うがいをしてからその日の出来事を話し合い、おやつの時間を設けています」と宮本さん。その後、スタッフが見守りながら学習したり、好きな本を選び大きな声で読み聞かせをしたり…。夏には、バーベキューや流しソーメン、プール遊び、秋には芋掘り、芋煮会、冬にはクリスマス会やコンサート、人形劇など、楽しいイベントが盛りだくさんだ。
「生涯かけてこの施設にたどりつきました。朝、7時半ころまでにこの施設に出勤し、夜は9時〜10時ころに一日の反省をしています。最高に楽しく充実しています」と宮本さん。現在、施設の会員は約100人。子育て支援のほか、地域住民のサークル活動などにも利用できる。
「私が子どものころ、近所のおじいちゃん、おばあちゃんが見守ってくれました。この施設も地域の人が集う場所になればいいですね。そしてここに来る子どもには、自由にのびのびと明るく思いやりのある子に育ってほしいです。静かな湖の中に石を投げると輪ができます。輪が広がるような施設にしたいですね」と、宮本さんは目を輝かす。 |
施設外観 |
▼城の丘じゅうおうランド▼
アクセスはJR十王駅徒歩15分(日立市十王町城の丘2の1)。
子育て支援は、年会費1300円プラス1カ月9000円(おやつ代など含む、夏休み期間は別料金)。このほか施設の一時利用料など詳しくは問い合わせを。Tel.0294・51・5247 |
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