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チーズの“楽しさ”広めたい チーズプロフェッショナル協会理事・木榑博さん |
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木榑さんが好むチーズはフランスの「コンテ」とイタリアの「パルミジャーノ・レッジャーノ」。「コンテはドライフルーツやゆでぐりみたいな味で、パルミジャーノ・レッジャーノは、すり下ろしてサラダに混ぜたりしたり、あるいは、溶かして食べたりします」 |
今月から講座スタート
そろそろワインの新酒の季節。そのワインのつまみに相性が良いのはチーズだ。日立市に住む木榑(こぐれ)博さん(69)は、「チーズはカルシウムなどの栄養素が多く含まれ、消化も良い。ワインだけではなく、日本酒、コーヒー、紅茶、ほうじ茶などにも合いますよ」とすすめる。「日本に独自のチーズ文化をつくっていこう」などとの目的で設立されたNPO法人チーズプロフェッショナル協会理事の木榑さん。酒類とチーズの愛好会を仲間と立ち上げる一方、常陽藝文センター藝文学苑の講座「チーズを楽しむ」などの講師を務め、「チーズのおいしさ、良さを多くの人に知っていただきたい」と話す。
「子どものころ、母が婦人会のお土産にもらってきたハムとチーズのサンドイッチを食べて以来、チーズが大好きになりました。大学受験のときの夜食はいつもプロセスチーズでしたし、学生時代は下宿でイギリスパンとチーズをよく食べていました」と木榑さん。社会人になってからも「生活の中には常にチーズがあった」と言う。
あるとき、ふっと定年後の生活を考えていた木榑さんは、定年後も充実した時間を送れるように、「仲間たちと酒やチーズを楽しむ会を開こう」と思い立ち、1995年に「常陸酒楽会(ひたちさらえ)」を立ち上げた。97年からは日立市内(現在は水戸市内)で同会の「分科会」の一つとして月1回、「日立チーズの会」も開いている。
「常陸酒楽会」をスタートさせた当初は、「県北でおいしいチーズを食べようと思ってもなかなか手に入りませんでした」と木榑さん。思案した揚げ句、チーズの輸入会社の社長に手紙を書いたところ、量をまとめることでおいしいチーズを低価格で販売してもらえるようになったという。「日本に輸入されている、手軽に購入できるチーズは約200種類あり、会ではその中の主なものを一通り楽しんでいます」
仲間とワインやチーズを楽しむようになった木榑さんは、資格取得にも意欲が出てきて99年に日本ソムリエ協会認定「ワインエキスパート」、2000年にチーズプロフェッショナル協会認定「チーズプロフェッショナル」をそれぞれ取得。また05年には、フランスチーズ鑑評騎士の会から「フランスチーズ鑑評騎士」に選ばれている。
「日本は稲作文化ですが、ヨーロッパは牧畜文化。牛、羊、ヤギなどを増やして、母牛などから出るミルクで保存食のチーズを作っています。各村には、“おらが村の保存食”があります」と木榑さん。おいしいチーズの条件とは、(家畜にとって)おいしい草を食べた健康な家畜から搾った無殺菌のミルクで作ることだという。「牛の場合、ヨーロッパでは春から夏に搾乳したミルクで作ったチーズが最高です」
初心者でも楽しめる木榑さんおすすめのチーズ。右から時計まわりに、カマンベール・ド・ノルマンディ(白カビタイプ)、ラングル(ウオッシュタイプ)、コンテ(ハードタイプ)、プリニ・サン・ピエール(ヤギのチーズ、シェーブルタイプ)、ブルー・ド・オーベルニュ(青カビタイプ) |
チーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズとに分けられる。さらにナチュラルチーズはフレッシュ、白カビ、青カビ、ウオッシュ、シェーブル、セミハード、ハードに分類される。ナチュラルチーズの原料はミルクで、チーズをつくる微生物や酵素の活性が続いているので常に変化している。プロセスチーズの原料はナチュラルチーズで加熱により微生物や酵素の活性が止まってしまうため、品質の変化が起こりにくいという。
63歳で定年を迎えた木榑さんはチーズの魅力をもっと世間に知ってもらおうと、04年から常陽藝文センター藝文学苑の講座「チーズを楽しむ」などで講師を務め、普及活動に力を入れている。
「珍しいナチュラルチーズを楽しみませんか。7〜8人集まれば、出前講座も行いますのでお声掛けください」と木榑さん。
出前講座などの問い合わせは木榑 Tel・Fax.0294・43・2094 |
「チーズを楽しむ」講座
10月〜2018年3月、毎月1回第2日曜午後2時〜4時(ただし2月、3月は第3日曜同時間帯)、常陽藝文センター藝文学苑(JR水戸駅徒歩8分)で。
受講料一般1万6200円(6カ月6回分)、チーズ代9000円(6回分)。期間中、途中からの受講も可能。
問い合わせは常陽藝文センター Tel.029・231・6611 |
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