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「めだかの学校」の講師と生徒たち。右端が若林さん |
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作詞・作曲市民講座「めだかの学校」主宰
ひたちなか市のオリジナルソングを作ろう—。「ひたちなか・市民企画工房『めだかの学校』」は、「音楽でまちづくり」を掲げる作詞・作曲の市民講座だ。主宰者の若林邦雄さん(72)は、「この地に生まれ育った妻が亡くなる前、『ひたちなか市を好きになる歌を作って』と言い残しました」と話した上で、受講を呼び掛ける。「誰だってシンガーソングライターになれます。応援ソングやコマーシャルソングで、ひたちなか市をもっとすてきにしましょう」
若林邦雄さん |
若林さんは、就職した会社の寮のバンドに入り、トロンボーンの演奏を始めた。その後、勝田市(現・ひたちなか市)出身の美佐子さんと結婚。「妻と一緒になったころ、有名なサックス奏者のテナーサックスに心を奪われました」と回想する。演奏する楽器をテナーサックスに変え1972(昭和47)年、アマチュアのビッグバンドを立ち上げた。次第にメンバーが増え、水戸市や勝田市、大子町などのダンスパーティー会場で演奏した。「『ジャズバンドをつくる』と話すと、美佐子は『応援するね』と言って楽譜をそろえてくれた。選曲も手伝ってくれました」。若林さんは、30代半ばには当時、勤めていた会社を辞め、1年ほどプロのビッグバンドにテナーサックス奏者として参加した経歴も持つ。
2001年、ボランティアグループ「ひたちなか・市民企画工房」を設立した。「市民目線で気付いたことを、行政に提言しています。私は福島県の会津若松市出身。会津若松市には白虎隊や鶴ヶ城などのふるさと自慢があり、地域の連携も強い。美佐子は『ひたちなか市にも、たくさんの魅力がある。それを市の内外に発信したい』と言っていました」。しかし、美佐子さんは病気のため04年に死去。「妻をみとってしばらくしてから、ひたちなか市の歌を作る『めだかの学校』の開設を決めました。天国の妻にラブソングをささげる気持ちです」
12年に“オリジナルソングを作る講座”を開設した若林さん。「まずは『みんなで歌って楽しもう』と考え、スタートさせました。生徒さんの詞に、私の友人が曲を付けてくれました」。その3年後、再び開設した講習会を「めだかの学校」(第1期)と名付けた。「講座では、生徒の発想に教えられることも多くありました。『誰が生徒か先生か…』との実感を学校の名前に反映させました」。第1期の生徒の詞も、ジャズ歌手でピアニストでもある星野由美子さんの作曲で作品になった。「生徒さんは『こんなに簡単に詞ができるの』と驚き、喜んでくれました」
今年7月からの第2期は10月まで開講中。講師は星野さん、ジャズミュージシャンの大川修広さん、ひたちなか市職員でザ・ビートルズの全曲をギターで弾き語りできる村上剛久さんと若林さんだ。「生徒たちが実際に作詞・作曲をするワークショップです。参加した人たちが近い将来、先生役になって新しいシンガーソングライターを育てるような流れになればいいと思っています」。第2期生による新曲も完成間近。「干し芋がテーマの歌と、失恋を歌った歌です。これからまた、たくさんの歌ができますよ」
11月11日には、ひたちなか市で「めだかの学校」のコンサートも開催される。講師の演奏と、第2期生の修了セッション。「音楽は喜怒哀楽を詞とメロディーに込められます」
来年4月からは「めだかの学校」の第3期が開設される予定だ。若林さんは希望に胸を膨らませる。「来年は勝田駅前に『めだかの学校』の生徒さんたちが作詞・作曲したオリジナルソングを流したい。ひたちなか市にプレゼンテーションをしようと思っています」 |
【めだかの学校】(第2期)今後の日程
9日(土)、17日(日)、10月14日(土)、愉快スタジオ(JR勝田駅徒歩4分)で。時間は午後4時〜6時。第2期途中からの参加も歓迎している。参加費1回1000円。
【めだかの学校コンサート】
11月11日(土)午後4時〜6時、「ライブスポット サムシング」(JR勝田駅徒歩5分)で。参加費3000円(受講していない人も参加可)。問い合わせは若林 Tel.090・9104・8790 |
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