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毎週月曜開催、カレーランチで憩いの場 日立市青葉台団地の「オニオンカフェ」 |
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「家族的な雰囲気でおいしくいただけます」と利用者。テーブルの上にはスタッフ宅に咲いている花が飾られている。正面奥、左から中田さん、佐々木さん |
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日立市青葉台団地(同市西成沢町)の空き家を利用した青葉台サロンでは毎週月曜日、地域ボランティアがランチカレー(30食限定、500円)を提供する「オニオンカフェ」を開催。カフェ内には毎回、スタッフと利用客らの楽しい会話が響く。「オニオンカフェ」は、高齢の団地住民同士の交流や情報交換の場を提供し、地域の憩いの場になっている。「カレーライスを味わいながら気軽に集うことができ、住民同士のつながりも深くなっています。団地の住民でない人も大歓迎です。ぜひ来てくださいね」と成沢地区社会福祉協議会副会長で、「オニオンカフェ」リーダーの佐々木早苗さん(60)は呼び掛ける。
「オニオンカフェ」が開かれる青葉台サロンの外観 |
高齢者見守りの場にも
「オニオンカフェ」を開催している青葉台サロンは2014年11月に発足。運営しているのは、一般社団法人さくらカフェまちづくりプロジェクトだ。
同団体は、住民の高齢化に悩む青葉台団地を拠点に、近隣住民と地域振興やボランティアに取り組んでいる。「オニオンカフェ」のほか、歌声喫茶、思い出映画の上映会などのイベントや、高齢住民に対する買い物支援などの家事代行サービスも行っている。
「オニオンカフェ」は2年3カ月前にオープン。スタートは、同カフェ・サブリーダーの中田ますみさん(69)の発案による。中田さんは民生委員を務めながら、成沢地区社会福祉協議会のボランティアスタッフ交流として月2回、夕食のおかず作りをする「キャロットの会」のメンバーでもある。
その中田さんが、「青葉台サロンでランチを提供し、地域を元気にできたらいいね」と、「キャロットの会」や青葉台サロンの近所の人たちに声を掛けたという。すると「すべての人が手伝うよと言ってくださいました」と中田さんはうれしそう。その後、佐々木さんと相談しカフェオープンが具体化したという。
現在の「オニオンカフェ」スタッフのメンバーは60代〜90代の25人。1班6〜7人で4班に分かれ、1班ごとに月1回「オニオンカフェ」を担当する。無償ボランティアだが、ささやかな売上利益が年に2回のスタッフ親睦会の会費に回されるという。「ボランティアを楽しみながら地域に貢献できることがスタッフの生きがいになり、仲間づくりもできています」と中田さん。
「オニオンカフェ」への来客数は毎回20人以上。青葉台団地の住民をはじめ市内外から訪れ、子ども連れのお母さんが利用することも。中田さんは、「毎週、一人暮らしのシニア男性数人が来られ共に会話を楽しんでいらっしゃいます。ほかのレストランではこういう風景は見られません」とほほ笑む。また、つえを突きながら通って来る高齢の女性もいて、「家から歩いて来られることが、健康づくりに役立っています。民生委員をしているので、『オニオンカフェ』で見守り活動もできています」。
カレーは毎回、同じ材料で作るが、野菜の切り方、玉ネギの炒め方などで微妙に味が違うという。しかし、いつもおいしいと評判だ。「皆楽しそうに作っています。その気持ちがカレーに溶け込んでいるので、リピーターが多いです。若い人にも来ていただきたいですね」と青葉台サロン店長の藤井公子さん(42)。
また、佐々木さんは周辺住民が地域の高齢者を気軽に見守れる場所がこれからは必要になると語る。「ほかの地域でも『オニオンカフェ』のような高齢者が集える場所ができることを願っています。高齢者だけではなく多世代の居場所づくりになったらうれしいですね」 |
「オニオンカフェ」
毎月曜(祝日を除く)午前11時〜午後2時、青葉台サロン(日立市西成沢町4の23の5、JR日立駅からバス)で。
メニューはランチカレー(500円、サラダ・焼菓子・1ドリンク付き)のみ、30食限定。問い合わせは青葉台サロン Tel.0294・33・7895(月曜〜金曜午前10時〜午後4時) |
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