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茶摘み体験の一コマ。参加者は女性が多い |
5~6月、紅茶作り体験開催
茶畑が新緑に輝く新茶の季節がやってきた。緑茶はがんや心臓病の予防に効果があるといわれている。また、最近では国産の茶葉で作った「和紅茶」も市場に浸透し始めている。牛久市の「澤田茶園」では、5月から6月にかけて紅茶作り体験を開催する。「自然と触れ合いながらゆっくりとした時間を茶畑で過ごしてみませんか」と同園を営む澤田臣男さん(47)は呼び掛ける。
「やぶきた」栽培
「澤田茶園」はことし創業90年を迎える。澤田さんは4代目だ。牛久は茶どころではないが、「澤田茶園」の緑茶は深みがあり香りが高く、地元の人に愛されている。
澤田臣男さん |
澤田さんの代からは「やぶきた」という品種を使って紅茶も作り始めた。緑茶も紅茶も同じ茶の木から作られるのはご存じの通り。外国産は渋みと香りが強いが、「やぶきた」から作る和紅茶は、甘味がありながらスッキリ感が楽しめるという。5月から6月にかけては、紅茶づくり体験も行っている。
「若い人にも買いにきていただくために何か新しいことを始めなければと5年前から始めました」と澤田さん。参加者は小学生から70代と幅広く、女性が多い。
新芽は天ぷらに
紅茶づくり体験教室では、茶摘みで始まる。午前9時から1時間ほどかけて黄緑色の新芽を手で摘み取るのだ。青空の下、生き生きとした新芽を触れながら探すのは、心踊る体験だ。摘み取った新芽は持ち帰りが可能で、天ぷらにするのがお薦め。茶の香りが広がる、初夏ならではのぜいたくな一品だ。
新芽を摘み取った後は、水分を飛ばした茶葉を1時間くらいかけて時々休みながら手でもむ。強くもんだ方が渋みが抜けて甘い紅茶になる。次に濡れぶきんをかけて発酵させる。茶は温度26度湿度90%で発酵する。「寒い日は、ひなた、暑い日は日陰で発酵させます。発酵時間は30分から2時間、温度や天候によって変わります」。発酵させた茶葉を機械で乾燥させると紅茶の完成だ。試飲して、残りは持ち帰る。午後3時に終了。
「参加者の方からは、『これまで何気なく飲んでいたお茶の作り方が分かって感動しました』『茶畑で自然とたわむれることができて良かった』などの声をいただいています」と喜ぶ澤田さん。
低農薬で生産
「澤田茶園」の人気の高さの理由の一つが、低農薬で生産していることにある。「毎年、何かしらの新しい虫や病気が流行り苦労します。農薬を使用すれば簡単に駆除できますが、私の体調が悪くなるのでほとんど農薬は使用しません」
また生産直売にこだわり、他の店と比べて2割ほど安く販売している。
ペットボトルの新商品が毎年多く発売される一方、若年層のお茶離れが問題となっている。澤田さんは、少しでもその流れに歯止めをかけようと尽力している。
「ペットボトルのお茶と急須で入れたお茶では、味が違います。昔からの緑茶の良さを再確認し、お茶の好きな人が増えてほしい。紅茶づくり体験がそのきっかけになれば、うれしいです」
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和紅茶540円(100グラム)。また、澤田茶園では黒落花生540円(180グラム)なども販売している。住所=牛久市女化町30。問い合わせは Tel.029・872・0307 |
「作り方教室」の参加者募集
6月6日(月)午前9時〜午後3時、澤田茶園で。参加費などの問い合わせは Tel.029・872・0307 |
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