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  茨城版 平成28年4月号  
主婦がコミュニティー施設運営  ひたちなか市「くらし協同館なかよし」

災害時に食料、水などの供給所になるくらし協同館なかよし
「みんなのたまり場に」と塚越教子さん
 高齢者の多い団地で主婦が中心となってボランティア運営するコミュニティー施設「くらし協同館なかよし」(ひたちなか市)は、ことしで活動11年目を迎える。ここでは、食料品の販売だけでなく、介護の情報交換、子育て支援など幅広いサービスを提供する。活動するNPO法人の理事長・塚越教子さん(74)は、「ここは気軽に集まれる“みんなのたまり場”です。高齢になってもみんなが喜びや生きがいをもって元気に暮らせる町づくりを目指し、活動しています」と熱く話す。

 高齢者にとって、食料品店舗やちょっとした憩いの場が徒歩圏内にあることは、生活していくうえで必要不可欠な事柄だ。地域の店舗は、交流の場でもある。しかし、高齢化が進む地域ではスーパーなどの撤退が相次いでいる。ひたちなか市のコミュニティー施設「くらし協同館なかよし」は、当時の生協ハイコープ本郷台店閉店後に店舗跡にオープンし、現在も成功している数少ない事例の一つである。成功の陰に、主婦の力があるという。


塚越教子さん
 周囲の団地住民にとって生協の閉店が危機的な状況であることを実感していた塚越さん。生協の理事を務めていたこともあって、生協の担当者、住民代表者とともに店舗再利用検討委員会を立ち上げた。住民にアンケートを実施したところ、食料品の販売店舗はもちろんのこと、コーヒーを飲む場所や、健康体操や趣味講座の開催、子どもを遊ばせる場所の確保など、さまざまな要望が寄せられた。

 「生協側は住民が主体となるならば支援する、という返事でしたので、じゃあやろうということになりました」と振り返る。

 2005年にNPO法人「くらし協同館なかよし」を設立し、11月から事業が開始された。運営するのは有償ボランティアだ。1日に約22人が活動し、平均年令は65歳。活動費は1時間240円。「当時、食の支援をしているNPOがなかったので、手本にするところがありませんでした。スーパーだったところで物を販売することがなかなか理解されず、申請してから設立まで4カ月もかかりました」と塚越さんは苦労を話す。生協本郷台店閉店からなかよしオープンまでは1年半程の時間が必要だった。

 同NPOでは、「健康維持と介護予防」「交流・助け合い・生きがいづくり」「地域産業の支援と地産地消活動・安全な食を守る」といった3つの事業を推進し、8つのチームに分けて活動する。

災害時には食料品・水などの供給所に
 料理が好きな人は総菜チーム、元幼稚園教諭は子育てサポートチーム、といった具合に活動する。「ボランティアメンバーはそれぞれプロの仕事を持っていますので、今までに培ってきたものを生かして活動しています。みなさん自発的に仕事をしてくださっています」と塚越さんは胸を張る。


ハーモニカ、折り紙、絵手紙など35の趣味講座がある。写真は子ども生け花教室の先生と受講者
 各チームでマニュアルを作成し、チーム会議で検証する。例えば、新しい総菜メニューを決める場合、総菜チーム全員の許可が必要で設定価格も決められている。「売れるか、売れないか、自分の仕事の評価が出ます」と塚越さん。もちろん国産の肉を使用するなど食品の安全性にも気を使い、仕入れもボランティアが行う。また、シフトは自主登録で決めている。「レストランスタッフが一人だけの場合は、メニューはうどんだけで良いということになっていますが、『これも出せます、あれも出します』と複数品手掛けてくれます。自発的にやることは苦にならないのですね」と塚越さんは誇らしげに語る。ボランティアの90パーセントは女性だ。「意志の統一が大変です。自尊心を傷つけないように、無理をさせないように気を使っています」と塚越さん。

 「くらし協同館なかよし」の年間の利用者は、約8万2000人。地元の野菜や特産品などを約60の生産者と委託販売し、健康体操、大正琴などの趣味講座は35グループある。最近では、子どもの貧困問題にも取り組んでいる。


地元の野菜や干物のほかレンタルボックスコーナーでは、手作り品などを販売している
 「住民へのアンケートの要望に沿って行い、ニーズがあったので、成功したと思います。地域の住民で趣味講座を教えてくださる人も多いです。『ここが閉められたら困るよ』などの利用者さんからの言葉が励みになります。近い内に、お客さまのご要望で、レストランでラーメンをお出ししますよ」と塚越さん。

 14年には、共同通信社・全国地方新聞社主催の第4回「地域再生大賞」関東甲信越ブロック賞を受賞した。まちづくりモデルとして社会福祉協議会や行政からの視察や研修が多く、中には、韓国から来た人や卒論のテーマとして研究に来る大学生も。

 60歳を過ぎて「なかよし」を始めた塚越さんにそのエネルギーの源について尋ねると、「社会の役に立つことが、自分が元気でいられるこつなのです。ここで働く前は旅行が趣味でしたが、自分のことだけをやっていると虚しくなりましたから。今はボランティアのほかに趣味講座にも参加し、毎日充実しています」と笑顔を見せた。

「くらし協同館なかよし」
ひたちなか市馬渡2525の498 日曜休館。 Tel.029・273・8388

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