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幻想的な1500個のあんどん 常陸太田市の「河内の文化遺産を守る会」会長・檜山貞人さん |
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幻想的なあんどんの明かりと黄金色のイチョウ |
11月、「行灯の赤レンガと銀杏まつり」開催
11月7日(土)、8日(日)に、常陸太田市の国登録有形文化財である旧町屋変電所とその周辺で、「第12回行灯(あかり)の赤レンガと銀杏まつり」が開催される。同変電所は建設から100年以上の歴史を持つ。一時、取り壊しが予定されていたが、地元住民の活動によって免れ、現在は町のシンボルとなっている。「一斉に1500個のあんどんが点灯し、黄金色のイチョウと赤レンガの変電所がライトアップされるさまは、とても幻想的です」と主催者の「河内の文化遺産を守る会」の会長・檜山貞人さん(69)は話す。
旧町屋変電所は1909(明治42)年にドイツ人設計士によって建設されたレンガ作りの建物である。2年後、茨城電気(後の東京電力)が買い取り、56年まで変電所として使われたが、その後は長年、公民館として利用されてきた。しかし90年代に入り新しい公民館が設立され、それによって旧町屋変電所は取り壊しの危機にさらされる。
役目を終えたとはいえ、日立鉱山の発展を支えてきた歴史的建造物を壊してしまっていいものなのか? 変電所に強い愛着を抱いていた地元住民の檜山さんらは、常陸太田市役所に旧町屋変電所の保存を掛け合った。
檜山貞人さん |
「河内の文化遺産を守る会はその時に設立しました。会員数は現在45人、ほとんどが60代以上です。結局変電所は保存されることになり、99年には国登録有形文化財として登録され、我々の保存活動がむくわれたとみんなで喜びました」と檜山さんは振り返る。
その後、2004年に変電所周辺に新道「グリーンふるさとライン」が開通。「せっかくだから何かやろう」という話が仲間内から出て、祭りが開催されることとなった。
7日、8日は午後3時半から来場者によるあんどんの一斉点灯式が行われる。変電所周辺の田んぼに並んだ1500個のあんどんに火がともされ、同時に、イチョウと赤レンガの変電所もライトアップされる。火は午後8時までともされ、闇の中でほのかに揺らめく。幻想的な風景を一目見ようと、昨年は約5000人が来場した。
「第1回目に500個のあんどんを並べたところとても評判が良かったので、翌年は1000個に、第3回目からは1500個並べています」と檜山会長は笑顔を見せる。
祭りでは、機初小学校児童と一般市民から募集した2つの漢字をあんどんで表現する。昨年の漢字は、「美」と「結」。ことしの漢字は現在募集中だ。また、機初小学校全児童と瑞竜中学校の美術部員が絵付けしたあんどんも飾られる。
あんどんの枠に使う竹は、地元産だ。
「和紙を簡単に取り外しできるように、あんどんの上からあらかじめ巻いておいた和紙をはめればすむように工夫しました。1500個のあんどんのうち、傷みの激しい200〜300個を毎年補修します。あんどんの設置場所の草刈りも大事な仕事で、男性会員が頑張ってくれています」と妻の恵美子さん(65)は話す。
また、旧河内小学校体育館では会員の根本愛子さん(87)の手づくりひょうたんランプの展示も。お祭り広場では、会員お手製のけんちんうどんやカレーなどが販売される。
「地域を愛しているから頑張れるのです。祭りの活動が浸透し、喜ばれることが励みですね。ぜひ河内を訪れてほしいです」と檜山会長は呼び掛けている。 |
◆「第12回行灯の赤レンガと銀杏まつり」
11月7日(土)、8日(日)、常陸太田市西河内下町1382の1旧町屋変電所周辺で。
両日共に午後3時半より一斉点灯式(参加者募集・当日受け付け)。小雨決行。7日はフラダンスの演技発表や8日には太鼓やジャズなどの演奏も、現在、あんどんで作る一文字を募集中。応募は、好きな漢字一文字、〒住所、氏名を明記し、〒311-0311 常陸太田市町屋町1254 「河内の文化遺産を守る会(事務所)」へ。10月31日(土)必着。
会場へはJR常陸太田駅から車で20分。問合せは檜山 Tel.090・3149・2353 |
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