|
|
歴史ロマンの高揚図る 守谷市の「守谷城保勝会」代表・山田哲司さん |
|
|
|
昨年のMOCOフェスタでの少年武将隊パレードの様子 |
つくばエクスプレス(TX)開通後、未来へ向け目覚ましい発展を続ける守谷市。だがかつて同地に水に浮かぶ難攻不落の城「守谷城」があったことをご存じだろうか。「城跡がどこにあるかを知らない市民も多いです。皆さんに興味を持ってもらい、楽しみながら歴史遺産の保存活動につなげていきたい」と話すのは守谷城保勝会代表の山田哲司さん(69)。明日9日から始まる「MOCOフェスタ2015」では、手作りよろいをまとう子ども武者を率い、同地の歴史ロマンを盛り上げる。
地元史跡の保存・認知向上へ
守谷城は現在の守谷小学校や城址(じょうし)公園付近にかつてあった広大な沼沢地の中の台地に築城。古くは野馬追(のまおい)で有名な相馬氏が本拠を置いたほか、戦国期には北条氏が大改修を施し、土塁の城ながら、北下総(茨城南部・千葉北部)の要衝としてにらみを利かした。
そんな同城も江戸時代半ばには廃城。また新田開発のため城郭の一部を切り崩し沼沢地の埋め立てを行った結果、かつての威容はまったく失われた。
そして現在、城跡は公園として市民の憩いの場となっている。緑に覆われた丘のようだが、注意深く足を踏み入れれば深いV字状の空堀や郭(くるわ)が確認できる。戦国の築城術を今に伝える史跡として市では保存整備に尽力。6年前に守谷へ転居した山田さんも城跡を見てその貴重さに気付き、民間の立場から独自に保存整備の機運を盛り上げるため、理解者と共に守谷城保勝会を立ち上げた。
山田哲司さん |
「まず町おこしを兼ねて城を市民に認知してもらうことが第一」との方針の下さまざまな企画を実行中だ。一つは段ボールによる「よろい制作教室」。本物の甲冑(かっちゅう)製作を記した古文書を参考にマニュアルを作り上げ、歴史ファンに訴求した。「本物と同じ手順で作るので、一領作るのに約1年かかることも」と山田さん。
またMOCOフェスタなどのイベントでは子どもを対象に、段ボール製甲冑を着せ会場を行列するほか、よろい試着体験も。子どもの勇ましい姿を記念撮影できると、親御さんに大好評だという。
さらに今年4月にシニア向けの無料剣術教室を開講。「従来のハードな剣術ではなく、老後の健康作りに沿ったカリキュラムです」
申し込みあれば城跡案内も
ほかにも周辺住民や市が城址公園への桜の植樹を推進する「守谷城址公園河津桜プロジェクト」(仮称)へ協力を表明している。
着々と城跡への興味や歴史ロマンを盛り上げる山田さんだが、本人もぞっこんの歴史ファン。在職中から城跡巡りを楽しんでいたほか、定年後は古文書解読も独学で始めた。「でも外でのフィールドワークが好きですね。もし守谷城に興味がある方がいたら案内しますよ」とにっこり。
そして、「福島の相馬野馬追にゆかりの方から同じ相馬家の故地として守谷でも野馬追ができないか相談をいただいたこともあります。いつか実現したいですね」と夢を語る。
守谷城保勝会は会員を募集中。守谷市以外の方も大歓迎。市民活動支援センター(TX守谷駅からバス)で現在2つの教室((1)よろい制作教室=毎週水曜午後1時〜4時・無料、材料費別(2)新陰流剣術体験教室=毎週水曜午前10時〜正午・無料、竹刀貸し出し可)を稼働中。また、機会を見て城跡の清掃をするほか、申し込みがあれば守谷城跡案内も(第2、第4土曜午後催行・無料、雨天中止)。問い合わせは山田 Tel.070・2668・3868 |
◆MOCOフェスタ2015
9日(土)、10日(日)午前9時半〜午後6時、守谷駅西口駅前広場(TX守谷駅すぐ)で。
東日本大震災復興支援イベントとして2012年にスタート。当日は市民有志による数々のステージイベントが披露されるほか、地場産品販売も。
保勝会の少年武将隊パレードは9日午前9時半、またよろい試着体験は両日の午前10時〜午後4時開催。問い合わせは実行委員会(市庁舎内)Tel.0297・45・1111 |
|
| |
|