|
|
人との出会い大事に花の魅力案内 「国営ひたち海浜公園」スイセンガイド代表・会沢良子さん |
|
|
|
赤いケープをまとったスイセンガイドが、園内にじゅうたんのように敷き詰められた約100万本のスイセンを案内する |
100万本が咲き誇るスイセンファンタジー開催
白や黄色の可憐(かれん)なスイセンは、春の訪れを告げる。例年3月下旬から4月中旬まで約550品種100万本のスイセンが咲き乱れる国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)では、現在スイセンファンタジーが開催中だ。それに伴い園内をボランティアガイドが案内する「スイセンガイドツアー」が12日まで行われる。スイセンガイド代表の会沢良子さん(80)は、「スイセンは種類や形が豊富です。背丈が同じくらいで見やすく、芳しい香りがしますよ。見分けるポイントはスイセンのラッパ部分(副花冠)です。それぞれ違いますよ」とスイセンの魅力を話す。
2001年3月よりスイセンガイドが始まった。現在、メンバーは17人で、ほとんどが発足からのメンバーだ。「スイセンハンドブック」を参考に、品種、原産地などを毎晩猛勉強し暗記したという。「スイセンガイドになる前は、ラッパスイセンぐらいしか知らず、副花冠という言葉も知りませんでした。八重咲き、シクラメン咲き、香りが強いスイセンなど、多くを学びました」と会沢さんは振り返る。
スイセンガイドツアーは、スイセンガーデンからスイセンの見本園、記念の森周辺までを約40分から1時間案内。スイセンの品種、原産地、魅力、管理方法などを説明しながらガイドする。
前列左から松原さん、会沢さん 小又さん、後列左から生井澤正雄さん(80)、鈴木さん |
「スイセンガイドを通してたくさんの仲間ができました」と鈴木静子さん(61)。小又稔子さん(68)は「車いすで来た人をご案内したら、親孝行できたとのお手紙をいただきました」とうれしそうだ。
会沢さんもやりがいを楽しそうに語る。電車で隣席に乗り合わせた人に、スイセンやガイドの話をしたという。いわき市の人で、その人に手紙を出したところ、会沢さんのガイドの日にいわき市から訪ねてきてくれた。
「あの時の感動は忘れられません。訪ねてきてくれたお礼に朝顔、ヒマワリの種を送ったのですが、その後の手紙のやりとりで咲いたとの返事をいただきました。今年も来てくださるそうです」
会沢さんは、「花と触れあって人と触れあって、いつまでも健康でいたいですね」と生き生きと話す。
「会沢さんは、とても前向きで生き方も知識の多さもお手本です」と小又さんが話すと、松原君子さん(78)も「会をまとめて引っ張っていってくださいます」と感謝する。
スイセンガイドツアーの見どころを聞くと、「今年のオリジナル品種は、黄色い『ヒタチサンライズ』と白い八重咲きの『ヒタチノウミ』です。また例年4月上旬には、花びらの中を口紅で染めたようなクチベニスイセンが咲き始め見事ですよ」と口々に紹介してくれた。そして、「スイセンを見ると元気になります。特に、黄色い花は効果が大きいと感じています。肌でスイセンを感じてください」と会沢さんはガイドツアーにいざなう。
ちなみに例年4月中旬から下旬にかけ、たまごの森フラワーガーデンでチューリップが見ごろになる。もし期間中にスイセンが旬を過ぎていたとしても見応えは十分だという。
現在、ひたち海浜公園ではスイセンガイドを募集中だ。「一緒に楽しみながらボランティアをしませんか」と会沢さん。活動はスイセンファンタジー期間中のガイドのほか、スイセンについての研修受講、秋にスイセンを植えるイベントなども。 スイセンガイドについての問い合わせおよびガイドへの申し込みは、同公園管理センター Tel.029・265・9001 |
◆スイセンガイドツアー
12日(日)まで、国営ひたち海浜公園(JR勝田駅からバス)で。
ガイドツアーは1日2回(①午前10時〜正午 ②午後1時〜3時)。申し込みは当日、テラスハウス(西口ゲート付近)まで。
雨天中止。入園料410円(ガイドツアーは無料)。開園時間は午前9時半〜午後5時。月曜休園(ただし5月31日までは毎日開園)。 |
|
| |
|