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広がるライアーの輪 「つくばライアーの響き」代表・芝山恭子さん |
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10月26日に行われた秋の定期コンサートの様子。前列右端が芝山さん |
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20日にクリスマス演奏会
オルゴールのようでいて、静かな澄んだ音色が聞こえてくる—。「ライアー」は、古代ギリシャのたて琴を原型とするロマンチックな楽器。優しく膝に抱いて演奏すると、聴く人の心を癒やしてくれる。「呼吸を整えて純粋無垢(むく)な心で演奏します」とは、ライアーアンサンブル「つくばライアーの響き」代表の芝山恭子さん(54)。20日(土)には家族で楽しめる「クリスマス☆コンサート」を行う。「当日は2部構成で演奏します。午前の部は赤ちゃんをお連れのお父さん、お母さんもご入場いただけますよ。シニアの方も大歓迎です」と、ライアーの奏でる優しい響きの世界へいざなう。
ライアーとは1926年、子どもの自主性を重んじるシュタイナー教育の教材としてドイツの彫刻家、L・ゲルトナーと音楽家、E・プラハトにより、心と体、魂を癒やす治療のため考案された楽器。日本では映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」で演奏され知られるようになった。
芝山さんは教員養成大学を卒業後、ピアノを教えていたが、大学の音楽教育で興味を持ったライアーが忘れられず、94年から1年ほど夫と共にフィンランドに住んだ時、先生を探しライアーを学んだ。帰国後、栃木県で「那須ライアーアンサンブル」を立ち上げ、その後茨城県へ引っ越したのをきっかけとして、2000年に「つくばライアーの響き」を発足させた。
座っているのが芝山さん。後ろに立つのは、共にライアーの輪を広げるべく活躍している「ひたちライアーの奏(かなで)」代表の根本裕美さん(49)。「ライアーを通して日常でなかなか見つけられない、静かに耳を澄ませる時間を持てますよ」 |
メンバーは約30人で、40歳代から60歳代の女性が多い。幼稚園、学校、高齢者福祉施設、病院などで演奏し、秋には定期コンサート、6月、12月には「親子のためのライアーコンサート」を開催している。発足から今日まで、約400回のコンサートを行ってきたという。
レパートリーは童謡、唱歌からポピュラー、クラシックまで幅広い。時には、リコーダーやグロッケンシュピール(鉄琴)、太鼓などと共演。また絵本の朗読とコラボしてコンサートが行われることもある。
シュタイナー教育では、幼児を対象とした童話を話す前にキンダーハープの優しい音色を響かせる。「さらにライアーの音色が加わると、絵本のイメージが膨らみ、読み手も聞き手もリラックスし、お話が自然に入っていく感じになります」と芝山さん。
ライアーはドレミファソラシドが決まっているので、初心者でも演奏しやすく、簡単なフレーズを弾いて豊かなアンサンブルを楽しめる。「いかに体をリラックスし力を抜いて弾くかがこつ。最初は難しいです。歌を歌ったりお手玉をしたりして緊張を解くと徐々に力が抜けます」と演奏法を伝授してくれた。
ライアーにはドイツ、スイス、スウェーデン、オランダ、オーストラリア、アメリカ製などがあり、新品は35万円から60万円ぐらい。
現在、芝山さんにライアーを教わった人々がつくば市、水戸市、日立市、下妻市、利根町など県内計14カ所で教室を開いている。そこで計約60人がライアーを学んでおり、芝山さんがともしたライアー演奏の灯はさらなる広がりを見せている。
「皆さんのそれぞれの音色が豊かに響きアンサンブルになった時が楽しいです。今後は若い人にも伝えていき、楽しんでいただきたいですね」と芝山さんの夢は膨らむ。 |
♪つくばライアーの 響き クリスマス ☆コンサート
20日(土)、午前11時15分〜11時45分、午後2時〜3時半の2回、つくば文化会館アルスのアルスホール(つくばエクスプレスつくば駅徒歩4分)で。
午前の部は乳幼児も入場可能。午後の部は小学生以上から。曲目は、午前の部は「ジングルベル」など。午後は絵本「スノーマン」朗読のほか、「きよしこの夜」「グリーンスリーブス」「アヴェ・マリア」などを演奏。入場無料。 コンサートおよび県内各地のライアー教室受講への問い合わせは芝山 Tel.0297・68・7538 |
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