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  茨城版 平成26年8月号  
スクエアダンスで地域の輪!  取手市の「リバーサイドスクエアーズ」会長・井上忠志さん

スクエアダンスの風景。コールに合わせて8人は円になったり、2列になったり、四角形になったりとさまざまに隊形を変化させる。その数々の動作をスムーズに、かつ意外性を交えて楽しい動きを演出するのがコーラーだ
9月13日から初心者講習会
 軽快なカントリーミュージックが流れる中、マイクを持つ壇上の人物(コーラー)が音楽に合わせ英語で歌うように指示(コール)を出すと、ロカビリー風の衣装を着飾った数十人の男女が一様に同じ動作で踊りに興じる—。日本各地で開かれるスクエアダンス・コンベンションの一風景だ。「激しい動きはなく普通に歩くことができれば参加できるスクエアダンスは、地域の生涯学習活動としてシニアを中心に静かなブームとなってます」と語るのは取手市でスクエアダンスクラブ「リバーサイドスクエアーズ」の会長をしている井上忠志さん(62)。「リバーサイドスクエアーズ」では初心者講習会を9月13日(土)から開く。

 スクエアダンスとは、正方形(スクエア)を描くように4辺に立った男役女役2人1ペアのダンサー8人を1セットとして踊るアメリカ発祥のフォークダンスの一種。ただし踊りに際し、あらかじめ決まっている幾多の基本的動作をコーラー(コールする人)がアドリブで順番を組み合わせ、その当意即妙の指示をいかに乱れずに8人が息を合わせて踊るかを楽しむ、ゲーム的要素をはらんでいるのが大きな特徴だ。

 踊りの面白さはコーラーの技量にかかっている。ダンサーは何セットでも増やすことが可能で、一人のコーラーの指示のもと何百何千の人が踊ることも。


井上忠志さん
 井上さんはシニアへの効能について、「気持ちが若くいられる。男性はウエスタンシャツ、女性はパニエでスカートを膨らましたワンピースとロカビリーファッションを華やかに着飾り、また異性と手をつなぐなど程よくスキンシップがとれるからね」と冗談交じりに解説してくれた。

 さらに友達作りにも大きな効果があるという。コールは世界共通。基本動作を会得していればどこの国の誰とでもともに踊りを楽しめ、終われば初対面同士でももう友達だ。

 そんなスクエアダンスと井上さんとの出会いは20代のころにまでさかのぼる。当時うつの症状に苦しみ、人前に出ることなど考えられなかったが、周りの人々の助けもあり自分を変えようと一念発起、レクリエーション・リーダー(公認指導者)の資格を取得。数々の施設への慰問や地域活動に参加し、ゲームや歌で皆を楽しませることがいつしか天命と考えるようになった。

 そんな活動を十数年続けるうち、レクリエーションでダンスを取り入れようとフォークダンスを学びに筑波まで行ったのだが、「実は勘違いでスクエアダンスクラブの門をたたいていたんです」。だがすぐスクエアダンスに魅了されたという。「マイク一本で何百何千の人を楽しませるコーラーになれれば、こんな幸せなことはない」

 同クラブで4年間修行を積み1998年、地元で独立。以来16年間、「毎年の新規生募集やのれん分けなどで県内外に150人を超える仲間ができた」とこれまでの道のりを振り返った。

 ただ、初心者への敷居は低くないと言う。「ベイシック」と呼ばれる初心者レベル51個の動きを覚えるのに、15回の講習会受講が必要。ただし楽しさを知った受講者は本格的にクラブに入会し、次の段階の「メインストリーム」17個の動きに挑戦できる。動きが増えることで楽しさも倍加するのが奥の深いところだ。これを終えてもさらに上の段階がある。「趣味としては大変な部類だが、敷居が低ければ飽きるのも早い。その点スクエアダンスは生涯の趣味になりえます」と語る。

 特に男性の参加は大歓迎という。井上さんはリタイア後の男性が引きこもりがちになるのを気にかけており、「地域社会に入る一つのきっかけにしてほしい」とスクエアダンスを通じて、リタイア男性の社会参加も強く呼び掛ける。

アメリカン・スクエア・ダンス初心者講習会
 9月13日(土)〜2015年1月24日(土)、取手市相馬公民館(JR藤代駅から徒歩18分)で。月3回開催(原則第1〜第3土曜)。午後6時〜7時半。参加費月1000円。定員20人。運動ができる軽装と上履き持参。
 問い合わせは Tel.0297・83・5609

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