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展示会に向け作品作りに余念がない桑原さん |
13日から2年ぶり展示会
日立市の桑原洋子さん（69）は長年、自宅で手織り教室を開いている。13日（火）〜18日（日）に、日立シビックセンター1F ギャラリーで第7回手織り展「“出会いの空間 2014” 経（たて）の糸 緯（よこ）の糸 ふたたび」を開催し、桑原さんと約20人の生徒の個性豊かな力作が美しく壁面を彩る。「様々な素材の糸を前にワクワクしながら作品づくりに励みました。手織りのぬくもりに触れ感動を味わってください。出会いの空間でお待ちしています」と呼びかける。
桑原さんが45歳の時、水戸市のデパートで開催された小林ふじ子さんの展示会で織物と出合った。
「それまでは油絵を習っていましたが、先生が亡くなられてどうしようかと思っていた時に、小林さんのハッとするほどの美しい布に魅せられました」。小林さんに織物を習うようになった桑原さんは、織り機と向き合う日々を送るようになる。「小林先生がとても魅力的な方でしたし、教室ではタペストリーが主で、絵を織れるというところに引かれました」と目を輝かす。
織物を始めて10年がたち、友人に手織りを教えるようになった。当初は5人だった生徒は今では約20人、中にはいわき市から通ってくる人もいる。
教室で指導しているのはスウェーデン織り、裂織り、日本の着尺まで幅広く、マフラー、かばんからタペストリーまで作る。手織りはしっかり張った縦糸に様々な色や素材の緯糸をくぐらせて織り上げる。縦糸は綿、絹、麻などを使い、緯糸は紡いだり染めたりも。古い着物を裂いて横糸にすると裂織りだ。
今回の展覧会のテーマは「経の糸 緯の糸」。「縦糸と横糸が絡み合い、思いがけないハーモニーを奏でます。横糸が目立ちますが、実は、縦糸がしっかりしていないと良い作品にはなりません」
横糸にこよりやドラセナという葉を使用したり、ガラスの破片を入れてステンドグラスのようにしてタペストリーを製作するなど、ありとあらゆる物が素材となる。多くの工程を経て織りあげる手織りは、機械織りに比べて感性を発揮できるのが魅力だ。桑原さんは生徒とどのようなものを作りたいかと相談し、それをどうすれば手織りとして表現でき、タペストリーにすることが可能かをともに考える。それから下絵を描き、どの糸をどこで使うか決める。「最初から最後までいろいろの工程を経るのが楽しいですね。素材にぬくもりがあると、出来上がった作品にも温かみがあります」と桑原さんは目を輝かす。
桑原さんと生徒は時間を見つけては、東京の絵画や手織りの展覧会に行き、美しい作品を鑑賞することを心がけているという。また、桑原さんは生徒に県展や市展など公募展に応募することを奨励している。
2012年の展示会風景 |
手仕事好きな人はぜひ
桑原さんは「ひたち生き生き百年塾」で、市民教授として中学生などに手織りを教えることもある。
「手織りを習ったおかげで、子どもたちに織物の楽しさをつなげていけます。大勢の仲間と共に手織りを引き継いでゆくお手伝いをさせていただいているのが喜びです」
手織り展「“出会いの空間 2014” 経の糸 緯の糸 ふたたび」は、13日（火）〜18日（日）午前10時〜午後6時（最終日は午後4時）、日立シビックセンター1Fギャラリーで。
展示会は2年ごとに開き、今回は7回目。高岡宏子さん（69）の「彩雲の輝き」は、介護をして看取った母への想いを織り上げた作品。また坂尻廣子さん（59）の「3・11想い」には、東日本大震災からのいろいろな心の動きを凝縮し作品に込められている。
「手仕事が好きな人や織物と関係のない人たちが集まって、情報交換したりして楽しい時間を過ごしたいと思っています。ぜひ、ご覧ください」と桑原さんは、来場を呼びかけている。
問い合わせは桑原 Tel.0294・34・2577 |
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