|
料理に精を出す宮澤さん |
新名物「ひたちのなっとうと小松菜のワッフル」開発
日立市の宮澤孝子さん(48)が、1月24日に開催された「茨城県北“新名物”料理コンテスト・お土産(加工品)部門」で「ひたちのなっとうと小松菜のワッフル」を開発し優勝した。「震災による風評被害がまだ払拭されていないので、茨城の食材を使って茨城を元気にしたいと応募しました。組み合わせはインパクトがありますが、甘さ控え目でほんのり納豆風味に仕上がっています。わたしの作ったワッフルで茨城が豊かな食材のある素晴らしい県だということが全国に伝わればうれしい」と宮澤さんは抱負を話す。
「茨城県北“新名物”料理コンテスト」(茨城県主催)は奥久慈ししゃも、納豆、アンコウ、サクラダコ、茂宮ハクサイなど、県北地域の魅力ある食材を使って、新たな食の名物を開発し、地産地消の推進、県北地域の魅力ある食材の認知を深めることを目的に開催された。
「山の料理部門」「海の料理部門」「お土産(加工品)部門」の3部門があり、特別審査員は服部栄養専門学校の服部幸應校長ら。3部門の応募総数109件の中から、「お土産(加工品)部門」で優勝したのが、宮澤さんの「ひたちのなっとうと小松菜のワッフル」だ。
優勝の理由は、何といっても組み合わせのインパクトと食べたときのおいしさ。特別審査員らは、「ワッフルに納豆というアンバランスさと、意外なおいしさの驚きとギャップが素晴らしい」、「地域の名物になり得る可能性を大きく秘めている」と称賛し、新たな名産品の誕生に期待を寄せる。
開発したワッフル |
考案した宮澤さんは、体調を崩したことがきっかけで、5年前から富山県にある板倉料理学院東京校で月に1度、薬膳料理を学んでいる。「更年期症状が軽くなりました」と宮澤さんは喜ぶ。昨年末には和漢膳プロフェッサーの資格も取得した。また、水戸市の日本農業実践学園でレシピ開発などの仕事をするかたわら、学校や企業などで料理教室や、日立市幸町の「さくらカフェひたち」で、毎週月曜日に薬膳料理(和漢膳)を担当するなど、活躍している。
「震災前、松島オルゴール博物館に遊びに行った時、オルゴールが流れている中庭でワッフルが焼かれていて、とてもいい香りが漂っていました。お年寄りから子どもまでが、中庭で楽しく過ごしている光景が印象に残っています。そんな楽しい場所が県北地域にできたらいいなあという願いを込めて、ワッフルにしました」と振り返る。
「ひたちのなっとうと小松菜のワッフル」に使った納豆は、日立市菊水食品の黒大豆小粒納豆。「やはり納豆は日立の特産品ですから。そして小松菜は冬が旬の食材なので」。黒大豆と小松菜は薬膳では冬の食材として、体を温める働きがあるという。
レシピの開発は、休日や仕事を終えた帰宅後に時間を作って行い、完成まで約2カ月かかった。
「ワッフルは焼き時間が5分なので、5分で焼いて食べられるものができないと、おいしいものができません。どの納豆が合うのか、いろいろな納豆を混ぜて作りました。また氷点下を生きぬいた小松菜はとても繊維質で肉厚になっていますので、食べると甘いのですが、加工するのが大変です。フードプロセッサーを長めにかけて何度も回して、細かくしました。時々フードプロセッサーが回らなくて細かくするのが大変でした」
苦労はあったが、もともとレシピ開発の仕事をしているため、農産加工品を作るのは好きだという。「どんな野菜でも加工品にできますね」と余裕の笑み。
「ひたちのなっとうと小松菜のワッフル」は、現在、商品化に向けて詳細を調整中。4月5日、6日に開催される「日立さくらまつり」において、平和通りで販売される予定だ。
「審査員の皆さんにおいしいと言っていただくことができたので、目の前のことひとつひとつ商品化に向けて頑張らなければと思っています。今後は季節のワッフルを作ります。春は、日立市の花が桜なので『桜のワッフル』です。桜の塩漬けを使用します」と宮澤さんの夢は膨らむ。
問い合わせは日立市幸町「さくらカフェひたち」 Tel.0294・33・5171 |
| |
|