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あ~ドスコイ、ドスコイ 相撲甚句ではつらつ 水戸相撲甚句会 |
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毎月第2・4土曜日に練習する |
新しい年を迎え、楽しみな行事も多い中、12日(日)から東京の両国国技館で行われる大相撲初場所を心待ちにしている人も大勢いるのではないだろうか。そんな相撲ファンの間でもう一つ人気なのが相撲甚句だ。相撲甚句とは力士が花相撲や地方巡業で土俵に上がり化粧回しを付けて歌うものだが、今ではその哀愁を帯びた独特の節回しが懐かしく響くと、あちこちで愛好会が発足している。水戸にも日本相撲甚句会認定の水戸相撲甚句会があり、19日(日)には東京のJR両国駅の構内で相撲甚句を披露する。
相撲甚句の歌詞の内容は実に多種多様だ。
「一人娘を嫁にとやるにゃよ〜箪笥長持挟(はさみ)箱、あれこれ持たせてやるほどに〜二度と戻るな出てくるな〜」
「仏の言葉を甚句に説けばよ〜お前はお前でちょうど良い、顔も体も名も性もそれがお前にゃちょうど良い〜」
「相撲の茨城甚句によめばよ〜遠い昔のその昔、稲敷村の怪童が相撲ひとすじ打ち込みて、七福神の願い込め〜」
など、人生や世相、勝負の世界の哀歓や、ユーモアに富んだものが何百曲もある。それこそが相撲甚句の何よりの魅力だ。
佐々木勝也さん |
「元来、勝つか負けるかの厳しい相撲の世界で、一時でも激しい稽古を忘れるために、相撲甚句に笑いと癒やしを求めて歌うことが力士の楽しみだったかもしれませんね」と同会会長の佐々木勝也さん(69)はこう分析する。
20年ほど前に同会を立ち上げ、今も会の講師として活躍しているのは柴田定義さん(83)。相撲甚句が大好きで、40年以上前から、県内のあちこちに出かけては、歌を聞かせたり指導したりしていた。
現在会員は68歳から83歳まで8人。その中で唯一の女性である海老沢照予さん(81)は、「昔、叔父がいつも聞かせてくれた相撲甚句がとても素晴らしく自分も歌えたらと思い、会に入ってもう十数年になります。もともと詩吟を習っていたので声を出すのは得意でしたが、思っていた以上に楽しいです」と、はつらつとした笑顔を見せる。
相撲甚句の練習は、メンバー全員が輪になり、一人が歌い始めると後の人たちが手拍子を取りながら「あ〜ドスコイ、ドスコイ」「ほい」と合いの手を入れていく。1曲の長さは2〜3分。休憩を挟みながら2時間、順番に歌っていく。
「お腹から声を出すので気持ちがいいし、健康にもいいと思いますよ」と佐々木さんが言うとおり、張りのある大きな歌声に負けまいと、合いの手を入れる仲間の握るこぶしにもぐっと力が入る。この練習の成果は、初場所中日となる19日にJR両国駅の構内で披露される予定だ。
「七五調のリズムは、日本人には耳慣れている上に楽器や鳴り物を使わず気軽に始められるという点で、相撲甚句は楽しみやすいと思います。自分も楽しめてかつ社会的な活動もできる。声の出る限りいつまでも歌い続けたいですねぇ」と話す佐々木さんの言葉に、メンバー一同、いっせいにうなずいた。
「仲間との練習は自分の歌の成果を発表する場でもあります。他にも老人ホームの慰問や、生涯学習の余興、地域のお祭りなどで歌を披露するほか、日本相撲甚句会の全国大会に参加もします。多くの仲間と交流することで、色々と情報交換もできますしね。興味のある方はぜひ参加してみませんか。一緒に相撲甚句を歌いましょう」と佐々木さん。仲間が増えることを楽しみにしている。
練習日は、毎月第2、第4土曜の午後1時〜3時、場所は水戸市中妻市民センターで。 問い合わせは佐々木 Tel.029・253・5166 |
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