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  茨城版 平成25年11月号  
車いすダンスで体調良好  神栖市「ウィルチェアダンス研究会・クアルト」

車いすダンスでリハビリを兼ねて踊る会員も
健常者と障害者が垣根を越えて
 「社交ダンスの教師をしていた30代の頃、大きな競技会で見た車いすダンスを踊る人たちの姿に衝撃を受けました。とてもかっこよくて! それ以来、いつかこのダンスがしたいとずっと思ってきました」と話すのは、神栖市で活動する「ウィルチェアダンス研究会・クアルト」(以下クアルト)の代表・佃由美さん。車いすダンスは、約60年前に車いす同士で踊るダンスとしてイギリスで始まり、その後、健常者と障害者が垣根を越えて一緒に踊るスタイルが普及し、現在に至っている。

 クアルトは2005年、車いすで生活する全くのダンス初心者の男性4人と、佃さんのダンス教室の生徒7、8人で設立された。

 車いすダンスは、立って踊るスタンディング・パートナーと、車いすに乗るウィルチェア・ドライバーがペアを組んで踊るもので、最近では競技会も多く行われている。


佃由美さん
 「車いすダンスにはスタンダードとラテンの2種類、10種目があり、私たちのメンバーもワルツやタンゴ、ルンバなど5種目を既にマスターしました。最終的には全種目踊れるようにすることが目標ですね」と佃さん。

 クアルトの会員は現在24人。年齢層は30代から70代。その他に応援団の賛助会員5人で構成され、神栖市ボランティア連盟に所属し活動している。

 「最初の頃、車いすの人たちはダンスをすることを、『ボランティアされている』という意識でしたが、少しずつ踊れるようになってくると、頑張っている自分たちのダンスを見せることで社会の人たちを元気にしたいという、ボランティアをする側に気持ちが向くようになったんですね」と喜ぶ佃さん。

 「今では競技会への出場はもちろんですが、年に4〜5回の施設訪問、小・中学校でのダンス披露や企業のイベント、今年は9月の国体のセレモニーに参加するなど、交流の輪をどんどん広げています」と話す佃さん。

 現在は12月に東京で行われる「世界車いすダンススポーツ選手権大会」に出場するため、練習漬けの日々。メンバーの一人、千葉県匝瑳市の木内千鶴さん(57)は、「19年前に交通事故で車いすになりずっとリハビリを続けていたのですが、ダンスを始めた4年前から体の調子がとてもよく、病院の先生からも『いいリハビリになっているね』といわれます」と笑顔で話す。

 会の設立時からのメンバーで車いすの保立静さん(40代)も、「何も分からずに入会し、すぐに辞めようと思っていたのに大会に出てその魅力にはまってしまいました」と、木内さんと一緒に猛練習中。

 現在クアルトではダンスを一緒に楽しむ仲間を募集中だ。

 クアルトの練習日は毎週木曜、午後6時半から神栖市保健・福祉会館で。

 問い合わせは神栖市社会福祉協議会ボランティアセンター Tel.0299・93・1029

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