|
|
「阿見町の史跡を見てください」 あみ観光ボランティアガイドの会 |
|
|
|
海軍航空隊本部の遺跡「方位盤」 |
海軍航空隊本部遺跡めぐり
霞ケ浦に面し、豊かな自然に恵まれている阿見町は「海軍飛行予科練習部」、いわゆる「予科練」の戦史の記録を保存・展示した予科練平和記念館が有名だが、「記念館以外の史跡もぜひ見てほしい」と「あみ観光ボランティアガイドの会」の会長・杉本正治さん(65)は話す。同会は2011年に設立。本格的な活動はまだ始まったばかりだが、少しずつ進み出している。
「団塊時代に生まれ育ち、昼夜忙しく働く仕事人間だったので、30年も住みながら自分の町をよく知らないまま定年を迎えてね。福祉の勉強を始めたりしているうちに、ふと町のことがいろいろ知りたくなったものだから」と、「あみ観光ボランティアの会」の設立当時を振り返る杉本さん。
杉本さんは、先輩に話を聞くなどして独学で歴史を学びつつ、公民館主催の「阿見学講座」に通い、町の自然・文化・歴史・物産を学んだ。そして、講座の仲間7人と11年7月に同会を設立。
「観光資源を探し出し、町をガイドする事によって地域に貢献でき、また活性化にも繋がればというのがみんなの一致した意見です」と話す。
海軍航空殉職者の慰霊塔 |
設立にあたっては、「市町村の垣根を越えて幅広く活動したかったので、役場や観光協会からの協力を極力抑えて、独自のボランティア色を出そうと考えています」と言う。
現在会員は14人に増えた。月に1度定例会を開き、ガイド研修や現地調査など情報交換をする中、会の歩みもやっと少しずつ進み出して来たという。
今回は取材にあたり、同会の推奨コースを女性3人のグループと一緒に申し込んだ。杉本さんに加え会員の山田昭一さん(67)と阿部倖子さん(55)の3人が案内してくれたのは、茨城大学農学部内の「旧霞ケ浦海軍航空隊本部遺跡めぐり」。霞ケ浦神社跡、第一士官宿舎階段親柱、軍艦旗掲揚塔、方位盤、皇太子お手植えの松、海軍航空殉職者慰霊塔などを回り、さらに車で数分の阿見町指定文化財、有蓋掩体壕(ゆうがいえんたいごう)まで、1時間弱のコースだ。
この有蓋掩体壕は敵の攻撃から航空機を守るために造られた屋根のある格納庫で、中が空洞のコンクリートで造ったかまぼこ形をしており、現在は所有する民家の庭先に保存されている。思ったより小さい印象を受けるが、ここには確かに戦争があったことを感じさせる貴重な資料である。
左から山田さん、杉本さん、阿部さん |
見学後、鉾田市の佐藤安子さん(64)は、「興味があってもよそから来てはなかなか見つけにくい場所を、説明しながら案内してもらえてとても勉強になりました。桜の時期がきれいだと聞いているので、その時にもう一度来て見たいです」と満足気な笑顔を見せた。
阿見町には県内で初めての舗装道路「海軍道路」や城館、神社・寺院、貝塚や古墳、近代史跡や記念館など多くの観光スポットがある。HP(あみ観光協会で検索)にはそれらの場所を多数紹介しており、希望する場所や時間を明記して申し込むと、会員が無料で案内する。「これからもっといろいろなコースを作って行きますからどんどん私達を利用して欲しいですね」と杉本さん。
同会では町の耳よりな観光情報や一緒に案内をする仲間を募集中だ。問い合わせ・申し込みは阿見町役場 あみ観光協会事務局 TEL.029・888・1111 |
| |
|