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笠間に秘密の花園 笠間市の主婦、盆子原眞佐子さんがオープン |
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「花を通してたくさんの方に会えるのがわたしの喜びです」と盆子原さん |
4月、笠間市の「B・ブルーグレーガーデン」がことしもまたオープンする。園芸愛好家の中では「笠間の秘密の花園」といわれる庭は、1人の主婦が自力でこつこつ作り上げたもの。野の花のような素朴な花々が庭の大部分を占めている。オーナーの盆子原眞佐子さん(65)が同ガーデンをオープンしたのは60歳の時。「花を通してたくさんの方に会えるのがわたしの喜びです」と微笑む。
雑木林の中にあるB・ブルーグレーガーデンの枕木の小道を散策すると、野の花のような花々が咲き乱れ、風に揺れている。自然に溶けこんだ庭にいると、イギリスの野山にいるような気持ちになれる。小屋には何があるのかなと覗いてみると、イギリスのアンティークやガーデングッズがそろっている。
「やさしい小花が好きなので、野の花に魅かれました。好きな花はオルレアやアグロステンマです」と盆子原さん。
「庭の花は種がこぼれて自然に咲いたものが多いです。毎日通って水やりをすることができないので、野草に近い小花の方が良く育ちます。あまりにも立派な庭だと、このような庭を作るのを大変だと思いますが、ここでは雑草もお花も一緒の気楽なお庭です」と話す盆子原さん。
東日本大震災の時は、小屋の中のアンティークガラスなどが壊れた。昨年の4月、ガーデンオープン日に、訪れた人たちに北茨城の煮干しや野菜を無料で提供した。またガーデン誌「ビズ」主催のガーデンチャリティーに参加し、賛同者に義援金を寄付してもらった。
盆子原さんは、フラワーアーティストの高橋永順さんの野の花のようなアレンジメントとライフスタイルに憧れ、45歳から約2年間、毎週、東京までアレンジメントを習いに通った。 「子供たちが手を離れたころで夫が、東京まで直接に永順先生に習いに行ったら、と言ってくれました。教室では自分で花を選び、好きな花を使えるということが楽しかったです。見たこともない花がいっぱいありました」と目を輝かせる。
5年ごとに目標達成
「笠間の秘密の花園」といわれる庭 |
その後友人から頼まれアレンジメントを教えるようになり、日立市にフラワーショップ「フォーシーズンズ」をオープン。そして2001年、「山小屋のある庭を作りたい」と笠間の丘に約150坪の土地を借り、庭作りを始めた。枕木を並べて道を作り、利休梅、アオハダ、山モミジなどの木を1本ずつ植え、種をまいた。大工に依頼して小屋を建て、四季折々の草花が溢れる庭が完成した。
「庭作りは夫にも手伝ってもらいました。肥沃な土地なので、草取りが大変でした」
盆子原さんは、時折、東京自由が丘のアンティークショップ「デポー39」を訪れており、オーナーの天沼寿子さんとも親しい。
「笠間の庭を訪れた天沼さんが、『素敵な庭なのだから、皆さんに見せなさい』と言ってくださったのがきっかけです。花の好きな人が楽しみに来て欲しいと6年前にB・ブルーグレーガーデンを始めました。ご夫婦やカップルで来て、庭作りの参考にされる方が多いです」。店名のBは盆子原さんの頭文字で、ブルーグレーは好きな色だ。「以前は普通の主婦だった」と振り返る盆子原さん。成功の秘訣は、「人生を5年ずつに考えること」。
「目標を決めると力も湧いてきます。45歳でアレンジメントを習い、50歳で店を開き、55歳で庭作りを始め、60歳でオープンガーデンを開きました」。さらに、盆子原さんは10年に開催された国際バラとガーデニングショウのガーデン部門Aで、アイアンアート作家の鯨雄作さんとともに奨励賞を受賞した。
B・ブルーグレーガーデンでは昨年から毎月一度の1日レッスンを行っている。ことしも募集したところ大好評で、1日で1年間の予約がすべて埋まった。栃木県やひたちなか市、水戸市などから応募があり、中には毎月参加する人も。
「庭で、風に吹かれながらレッスンをやるのが、私の憧れでした。これまでもお花が好きということでいろいろな人と巡り合い、出会うことができました。このレッスンが65歳の私の試みです」
B・ブルーグレーガーデンオープニングセレモニーは、21日(土)22日(日)。バイオリンの生演奏を予定している。
オープンは4月〜11月(8月は閉店)の毎月第1金曜〜日曜の午前10時〜午後4時。無料。問い合わせはフォーシーズンズ TEL.0294・21・3131(金〜月、午後1時〜7時)
http://f-4seasons.net/ |
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