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庭木のせん定、障子張り…地域のために (かすみがうら市/吉成芳雄さん) |
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好きな庭木のせん定なら何とかなるかと思い、シルバー人材センターに登録、1週間の講習を受けて仕事を始めた吉成さん |
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急速な高齢化が進展する中、高齢期を有意義に過ごすため、定年などで引退した後も何らかの形で働きたい高齢者が増えてきたことから、健康で生きがいのある生活の実現と地域社会の福祉向上・活性化を目的に、各地に設立されたシルバー人材センター。そのセンターの会員となりすでに13年も働いているのが、かすみがうら市牛渡に住む吉成芳雄さん(77)。気の合う仲間と好きな仕事をすることで、ストレスのない楽しい毎日を送ることができているのだという。
シルバー人材センター 会員登録13年
会社勤めをしていた吉成さんは65歳で定年を迎えた。これからは霞ケ浦でも眺めてのんびり過ごそうと思ったそうだがすぐに飽きてしまった。ちょうどその年1996年、市にシルバー人材センターが設立されたことから早速、会員登録。
特別に何かができるというわけでもなかったが、好きな庭木のせん定なら何とかなるかと思い、1週間の講習を受ける。助手として仕事を覚え、1年も経てば立派な植木職人の誕生だ。
とはいえセンターも発足当時は仕事の注文があまりなく、吉成さん達は名刺を持って自転車で営業に回り注文を取ったと言う。そんな思いをしたからこそ受注した仕事は基本に忠実に、丁寧に、一生懸命に行った結果、客の信頼を得ることができ、それが口コミで評判となり次々と仕事の依頼が来るようになった。
気の合う仲間と和気あいあいに
もともと、かすみがうら市は旧家が多く、そのため庭も木も大きく広い。4〜5人で組んでも最低2日はかかるため、先まで予約でいっぱいというようなことも多い。今では吉成さん達のような植木班はセンターの稼ぎ頭となっている。
吉成さんは、その人柄と器用さから、せん定以外にもいろいろな仕事を頼まれるようになった。そのため、障子張り・ふすま張り・ペンキ塗り・トタン張り・植木の消毒などのほか、草刈機やチェーンソーの使い方にいたるまですべての講習を受け、センターを通してきたどんな依頼にも応えられるようにした。しかし、庭木のせん定は雨が降ると休みになるが、障子張りにはその湿気から最適となる。生徒の休む土・日に学校からの依頼で木の消毒の依頼が来る。振り返ってみたら、「忙しかったなあ。月に30日も働いていたりするのですよ」と吉成さん。
「なるべく日曜は休みにしたいと思うのだけど、雨が止んだら午後からでも仕事しちゃいたくなるしね」と、いつも客の庭の様子が気にかかって仕方がないようだ。
子どものころはよく木登りをして遊んでいたといい、脚立を使った高い所での仕事も平気だというが、足腰が丈夫でないとバランスを崩して危ないので油断はできない。その忙しさのため「自宅の庭木の手入れは、後回しのようでなかなかやってもらえないのですよ」と話すのは妻の清子さん。
「年齢を考えるとそろそろやめてもらえたら」という気持ちを抑えて、毎日愛情を込めた弁当を作り持たせてくれている。
「とにかく緑と付き合っていると本当に気持ちがいい。お客さんとも顔なじみだし去年の庭が今年どう変化しているかを見る楽しさもある。とはいうものの、77歳。お客さんには今年も昨年と同じような訳にはいかないかもしれないと話し了解してもらいながら、これからも体が動く限り、慌てないでゆっくり仕事をしていきたい」と語る吉成さんは80歳を過ぎた年配者を含め400人もいるという会員の名実共にリーダー的存在。これからやってくる祭りや盆に備え、ますます忙しくなりそうだ。
問い合わせはシルバー人材センターTEL.029・898・3130 |
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