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町の活性化に一役 (観光ボランティア大洗・ほのぼの) |
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観光案内のコース、千手観音で野口さん |
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最近各地の観光地で見かけるようになった地域を案内・紹介する「観光ボランティア」。大洗町でも2004年に「観光ボランティア大洗・ほのぼの」が設立され、現在会長の石田久枝さんを始め19人のメンバーが活躍している。この会の発足当時からのメンバーである大洗町磯浜の野口光子(てるこ)さんも最年長で現在80歳を超えているが、坂道もある2時間ほどのコースを元気に案内し、ツアー参加者を楽しませている。町の活性を望む小さな力も、時として大きな結果を生むことがある。その成功例を早速この目で見てきた。
1990年、夫の親の介護のため東京から大洗に移ってきた野口さん。ほどなく親が他界したこともあり、自分の住んでいる町のことがもう少し知りたいと思い公民館の講座を受講。「町の歴史」や「お話の会」でいろいろと見聞きし知識を得て、同会のメンバーとなった。
会は当初は歴史のある神社や寺、史跡などを中心に町を散策していたが、それに商店街を巡る「ワンコインツアー」を企画したところ大変な人気となり、人通りも少なかった町中にも活気が戻ってきた。
大洗町には「大洗磯前神社」「願入寺」「西福寺」「西光院」「幕末と明治の博物館」など歴史を知る上でも貴重な古い場所が多く、もともと興味があった野口さんの出番も多い。
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左が会長の石田久枝さん |
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これらの散策に、100円で物が買える店を5カ所選び巡っていくという企画を加えたところ大評判に。菓子店の「生キャラメル」製作や、昔の看板、薬の調合方法の版木を展示してくれる薬局、見学ができる酒店などの多くの商店が、常時100円の商品を用意していてくれる。地元の人なら見過ごしてしまうようなちょっと懐かしい町の雰囲気を楽しむことができるのだ。更にこの企画で町の高齢者に声をかける人も多く、話が弾むなど良い交流が生まれているという。このように「観光ボランティア」が町の集客に貢献した役割は大きく、2009年度の案内人数は1400~1500人にも上った。
40代から80代のメンバー19人のうち女性が13人だ。行政に頼らず、自分たちで活動するこの「観光ボランティア」の試みと努力は2008年度の「県がんばる商店街支援事業」の優秀プランにも選ばれ、ますます意欲と自信が出てきたようである。
もともとは引っ込み思案だったという野口さんも、「石田さんや若い仲間のサポートもあっていつの間にか人前で楽しく観光案内が出来るようになりました」と話す。興味のあることに少し積極的に踏み出しただけで、その後の人生がとても充実していくのだと感じさせられた。
大洗のきれいな景色と空気がとても気に入っているという野口さん、現在は病気の夫の介護中ということもあってなかなか活動に参加できないでいるが、「夫の病気が落ち着いたらまた、町の案内を再開したいです」と考えている。
「観光ボランティア大洗・ほのぼの」(大洗観光協会内)の問い合わせはTEL029・266・0788
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