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「ぜひ若い世代に協力してほしい」と話す染野さん。背後の写真は現地でのもの |
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30年間勤務した茨城県を53歳で早期退職し、NPO活動を本格化するため、05年にNPO法人「黄土高原環境・緑化計画」を立ち上げた水戸市双葉台の染野恭満(やすみつ)さん(56)。貧困層が多く住む地域への植林活動を通じて、10年以上にわたり中国黄土高原の砂漠化防止活動に取り組んでいる。
中国で緑化計画 果実の利益を一助に
1991(平成3)年、フィリピンマラソンに参加するためマニラを訪れた時のこと。染野さんはごみ集積所近隣のスラム地区に住む子どもたちの光景を目の当たりにし、大きな感銘を受けたという。「貧しい環境の中でも子どもたちが明るく元気に生きている。この子どもたちのために何かできないか」
2年後の93年、県職員の仲間たちと「虹の風車の会」というグループを結成し、発展途上国の子どもへの支援活動を早速開始。特に貧困層が多く砂漠化の進む黄土高原と呼ばれる地域の小学校に果樹の植林を行い、収穫した果実の収入によって学校教材の充実が図れるようになった。
05年1月「虹の風車の会」のノウハウを引き継いだNPO法人「黄土高原環境・緑化計画」を32人の会員とともに結成。代表になった染野さんは30年間勤めた県職員を早期退職し、本格的に活動に取り組むようになった。
既にこの2年あまりで、山西省臨県や寧夏回族自治区などを訪問。現地の小学校の先生や生徒と一緒になって、沙柳(さりゅう)と呼ばれるヤナギの木2000本やナツメ苗640本を植林する活動を実施してきた。
会はもう一つの事業として山西省太原市近くの工場からナツメのドライフルーツを輸入し、国内での販売を計画している。現在はまだ始めたばかりで輸入量も少なく販売範囲も狭いが、将来的には収益を上げ、活動資金にしたいと染野さんは期待している。
現在会員は62人で平均年齢は60歳前後になる同会。「この活動は長い時間が掛かり、次の世代に引き継いでいかなければならないので、若い世代の人にもぜひ協力してほしい」と染野さんは参加を呼び掛けている。
同会の活動について興味のある方:TEL 029-254-2458(染野さん) |
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