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  埼玉版 令和6年10月号  
一人芝居はライフワーク  俳優・風間杜夫さん

人との出会いを大切にしている風間杜夫さん。その縁をつないできたのが、「大好きなお酒」。プロデューサーの岡田潔に一人芝居への出演を熱心に口説かれたときや、岡田と一緒に水谷龍二に脚本・演出を依頼する際もお酒を飲みながらだったという。今も、お酒は毎日欠かさない。「自宅で飲むときは、もっぱら焼酎です。テレビでスポーツ観戦しながらボトル3分の2程度は飲みます」という酒豪ぶり
「カラオケマン」シリーズ最新作、11日から上演
 俳優の風間杜夫さん(75)が“ライフワーク”と位置づけている「風間杜夫ひとり芝居 カラオケマン」シリーズ。その最新作「カラオケマン ミッション・インポッシブル」が11日から下北沢の本多劇場で上演される。1997年の初演以来、同シリーズで一人芝居を演じ続けている風間さん。「一人芝居なんて芝居じゃないと思っていたけれど、やってみるとうまく表現できずに悔しかった。今では、一人芝居の面白さを感じながら演じています」。長い役者人生で「出会いに恵まれた」と語る風間さん。「役者は天職。80歳を過ぎても芝居を続けていきます」と話す。

初の海外編に意欲
 「カラオケマン」シリーズ8作目となる今回は初の海外編。75歳の「歌う司会者」牛山明がサラリーマン時代の元部下を救出するためタイに飛ぶが、バンコクで次々とアクシデントに見舞われてしまい、危機に陥る—。同シリーズは、風間さんが一人で(見えない)“相手役”に語り掛け、懐メロを歌いつつ物語が進行していくという、ほのぼのとした人情喜劇。毎回、いろんな“相手役”と演技している風間さんだが、あるときから、ふっと“相手役”が実際居るように感じ始めた。「相手役が“見える”ようになったんです。そうなると、こういうタイプの女性だとか子どもだとか、自分で好き勝手に設定して一人芝居を楽しんでいます」

 今では、「来年も『カラオケマン』をやろうよ」と自分からスタッフに声を掛けているという風間さん。だが、1作目「旅の空」のときは違った。緊張と焦りで一人芝居の難しさを痛感したと話す。「自分の思い描いていた世界が全く実現できませんでした」。その無念さと悔しさから、「来年やれば、もっとうまくなるはず」とリベンジを決意する。そんな思いがシリーズ化へつながっていった。

 実は、一人芝居への出演を依頼された当初、風間さんは「一人芝居っていうのは芝居じゃない」と否定的だったという。「芝居というのは相手役がいて、セリフも感情も含めてのキャッチボール。それなのになぜ、一人でやるんだ?」。しかし今では、「芝居のジャンルとして一人芝居もありだな、と思うようになりました」。

演技で自分を表現
 東京・世田谷で生まれた風間さんは、8歳のときから児童劇団で子役として活動し、月刊少年漫画雑誌の表紙を飾る。しかしその後、思春期のころになると「屈折し、内向するタイプ」に。「役の上で自分を表現できるから」と舞台俳優に憧れていた風間さんは、早稲田大学に入学し学生劇団「自由舞台」に入る。「役を演じることで『俺も生きているんだぞ』みたいなことを実感したかったんです」。しかし当時は、「70年安保」やベトナム反戦運動の激化で全国的に学園紛争が激しさを増していたころ。革命家気取りだったという同サークルの先輩からは「芝居よりも街頭に出ろ」と言われ、デモに駆り出される毎日。「やっぱり自分は芝居がしたい」と思った風間さんは劇団「俳優小劇場」付属養成所を受けて合格。そこで出会った仲間と、劇団「表現劇場」を結成する。

 だが、「表現劇場」の活動に限界を感じ始めた風間さんは、72年に日活ロマンポルノで映画デビューする。田中登監督の作品などに出演していたころ出会ったのが、演出家で作家のつかこうへいだった。「俳優として本当にラッキーだと思うのは、人との出会いに恵まれたことですね。今の僕があるのは7、8割が素晴らしい人と出会えたご縁によるものです」。77年、つかの演劇「戦争で死ねなかったお父さんのために」に出演したことが役者人生の転機となり、その後、つか芝居の代表作「蒲田行進曲」や「熱海殺人事件」などに主要キャストとして出演し続ける。同時に、映画「蒲田行進曲」(深作欣二監督、82年)の「銀ちゃん」役で一般にも知られるように—。「出会った人が、次から次へと僕の持っているものを引き出し、演出してくれた」。「カラオケマン」シリーズでは、プロデューサーの岡田潔(トム・プロジェクト)や、劇作家・演出家の水谷龍二との出会いがあった。

「我」をそぎ落とす
 「カラオケマン」はこれまで日本での公演のほか、ニューヨークや北京など海外6カ国・14都市で上演。2003年には、「ひとり芝居三部作(『旅の空』『カラオケマン』『一人』)」一挙上演で第58回文化庁芸術祭・演劇部門大賞などを受賞。さらに、10年には「同五部作(『三部作』に加え『コーヒーをもう一杯』『霧のかなた』)」一挙上演で“前人未踏”の5時間15分を演じ切り、演劇史に名を刻んだ。このとき同シリーズはいったん幕を下ろすが、21年「帰ってきたカラオケマン」で11年ぶりに復活。その後も23年、今年と新作を発表し続ける。

 「五部作」上演のころまでは、「一人芝居をやって褒められたいという気持ちが強かった」という風間さん。「でも、今ではそういう欲もなくなりました。役者が持っている我(が)みたいなものをそぎ落として真摯(しんし)に芝居に立ち向かおうと思っています」。今日まで舞台や映画、テレビドラマで名演技を披露するほか、声優や落語家としても活躍。新型コロナウイルスの「5類」移行後は、年5本のハイペースで舞台に出演しているという。しかも翻訳劇や現代劇、アングラ演劇、ミュージカルなど、そのジャンルは多岐にわたる。「この年まで芝居を続けられるのは奇跡」と思いつつ、貪欲に演技を追求していく姿勢に変わりはない。


©2021年の「帰ってきた  カラオケマン」の舞台から
風間杜夫ひとり芝居 カラオケマン ミッション・インポッシブル
 —牛山明、バンコクに死す—

 11日(金)〜17日(木)、本多劇場(小田急線下北沢駅徒歩3分)で。全7公演。
 作・演出:水谷龍二、プロデューサー:岡田潔、出演:風間杜夫。

 一般前売り6000円、同当日6500円、60歳以上は前売り、当日とも5500円(要証明)。問い合わせはトム・プロジェクトTel.03・5371・1153

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