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  埼玉版 平成29年11月号  
過疎化進む町、音楽で活性化  NPO法人ときがわ山里文化研究所

これまで行ってきた山村などの整備活動が評価され、19日(日)に香川県で開かれる第41回全国育樹祭でNPO法人ときがわ山里文化研究所が表彰されることになった(同研究所の拠点“七重窯場”で右から、柴崎さん、小杉保雅さん、新井さん)
 埼玉県中部に位置するときがわ町。面積の約7割を山林が占め、清流・都幾川(ときがわ)沿いにのどかな風景が広がる。だが、地場産業の「建具」は金属製などに需要を奪われ、高齢化で空き家が目立つ。そんな里山を“音楽の町ときがわ”として再生しようと活動しているのがNPO法人ときがわ山里文化研究所だ。町や地域住民が力を合わせ開催してきた「ときがわ音楽フェスティバル」は25日のマンドリン公演で11回を数え、すっかり定着。音楽以外でも竹林や山林の環境整備など、都会との交流事業を活発に行っている。

 ときがわ町は2006(平成18)年に都幾川(ときがわ)村と玉川村が合併して誕生した。かつては山にある豊富なスギやヒノキなどの木材を使って、関東有数の建具生産量を誇っていたが、アルミなどの金属製に押され一時の勢いがなくなり、町には高齢化の波が押し寄せている。

 そんな人口約1万2000人の過疎化の進む町で豊かな音楽文化を育てようと活動しているのがNPOときがわ山里文化研究所だ。理事長の柴崎光生さん(75)は「こんなにうまくいくとは思いませんでした」と話し、“音楽の町ときがわ”に手応えを感じている。14年1月から年3回程度開催してきたコンサートは1回目から定員の300席がほぼ満席という盛況が続き、今年4月の「ふるさとの歌&オペラの名曲」で開催10回を達成した。

 「最初は音楽会を開いても、この先どのくらい回数を重ねることができるか、と不安でした」と言う柴崎さん。地元で一流の音楽家による生演奏を聴く機会がほとんどなかった町の人々が、「果たして有料で聴きにきてくれるか」と思ったからだ。

 それでも柴崎さんらがときがわで音楽会を開こうと思い立ったのは、町に300席の音楽演奏に適したホールがあり、そこにはピアノの名器「ベーゼンドルファー」が置かれていたからだ。

「手作りコンサート」を主催
 「立派なホールと素晴らしいピアノがあるのにほとんど活用されていない」と残念に思った柴崎さん。地元の人たちを誘って「ときがわ町音楽フェスティバル実行委員会」(現在29人)を結成、町に掛け合って定例音楽会「ときがわ音楽フェスティバル」を主催することになったのである。

 音楽会は企画から出演交渉、チラシ作製などすべてが実行委員29人の手作り。「より多くの観客に喜んでもらおう」と毎回、企画には知恵を絞っているが、その中心が企画担当の新井陽吉さん(75)だ。かつて埼玉県内の音楽ホールでコンサートの企画・運営に携わっていた経験を生かし、クラシックからポピュラーまで幅広いジャンルのコンサートを立案している。公演当日になると、実行委員メンバーがチケットの“もぎり”から会場案内など全ての運営を担当。そんな苦労も、「初めて生の音楽を聴いて良かった。次は何をやるの」と言ってくれる観客の声を聞くたびに吹き飛ぶという。「公演終了後には出演者と地元住民との交流会を開き、出演者からも喜ばれています」と柴崎さん。「身近で音楽を楽しみ、地域の音楽文化向上や町の情報発信に貢献したい」との思いで活動を続けている。

 実行委員会の中心となって活動している柴崎さんは、1942(昭和17)年、ときがわ町に生まれた。埼玉県立高校教員を経て埼玉県庁に入庁、主に教育、文化部門を担任し、県教育委員会課長・参事、鶴ヶ島市教育長などを歴任。2005(平成17)年に埼玉県を退職してから故郷・ときがわ町を訪れるたびに、深刻な高齢化と過疎化で森林資源や畑地が荒廃している古里を目の当たりにする。そこで、「山村と都市を結び地域の活性化に役立ちたい」と退職後まもなくNPO法人ときがわ山里文化研究所を設立、理事長に就任した。

 川越や所沢などに住む“都市住民”が同研究所の会員となって町内の荒れた畑や手入れの行き届かない竹林、山林をボランティアで整備するほか、衰微した町の祭りや伝承行事、食の再生にも尽力。地元住民との交流を図っている。

 そうした活動の一環として始まった「ときがわ音楽フェスティバル」。今では、地元住民だけでなく、川越など周辺地域の人たちも多く聴きに来てくれるようになった。25日に開催される演奏会では、今年楽団創立100周年を迎えた東京マンドリン宮田楽団が出演する。「これからも、さらに“音楽の町ときがわ”を広めていきたい」と柴崎さんは抱負を語る。

ときがわ音楽フェスティバル 〜 夢を紡ぐマンドリン 〜
 25日(土)午後2時、ときがわ町文化センターアスピアたまがわ(東武東上線武蔵嵐山駅からバス)で。
 出演:宮田蝶子・東京マンドリン宮田楽団。演奏予定曲は、「愛の挨拶」「ラバース・コンチェルト」「愛の讃歌」「慕情」「カタリカタリ」「瀬戸の花嫁」ほか。全席自由。一般1500円、高校生以下1000円。
 ときがわ町教育委員会生涯学習課 Tel.0493・65・1521

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