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同世代の仲間とゴスペル歌う 川口市・川口盛人ゴスペル隊 |
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「川口JAZZフェスティバル」で歌う |
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結成10年目で初公演
定年後のシニアにとって大切なものの一つは仲間との交流だろう。しかし、年を重ねるとなかなか新しい友人はできにくい。だけど、趣味を同じくするグループに入って一緒に活動すれば親しくなれるかもしれない。そんなことを感じさせるのがゴスペルを歌う川口市民のコーラス・グループ「川口盛人ゴスペル隊」だ。見ず知らずの人が集まっただけに、最初は“ハモる”こともできなかったが、結成10年目を迎えた今年8月、初の演奏会で美しいハーモニーを披露する。
毎月第1・第3土曜日の午後6時半、JR川口駅から徒歩3分のかわぐち市民パートナーステーションの一室に「川口盛人ゴスペル隊」のメンバーが集まる。指導するのはプロ歌手の佐藤宏子さん(42)だ。発声練習から始め、「アメージング・グレース」「ジョイフルジョイフル」…とゴスペルのスタンダードな曲を次々と歌う。
時々、佐藤さんから「ソプラノはもっと大きな声で」などと指導が入る中、何度も同じところを繰り返し歌うメンバー。室内は空調が入っているにもかかわらず、メンバーの熱気が次第に高まってきてムンムンしてくる。「最初はアメージング・グレースを1番までしか歌えず、しかも“ハモる”こともできませんでした。それが今では3番まで“ハモって”歌えるようになったんです」とメンバーの一人、阿部恵津子さん(61)はうれしそうに話す。毎月2回みっちり2時間練習してきた成果だろう。
そんなメンバーを結成当初から見てきた佐藤さんもこう話す。「こんなに歌えるようになるとは想像もできませんでした。でも、最初から楽しそうにやっているのは変わりません。練習が終わった後の飲み会という楽しみがあったから続いてきたのではないでしょうか」と見ている。 現在、24人で活動する川口盛人ゴスペル隊。うち男性6人がテノール、残りの女性がソプラノとアルトを担当している。
メンバーに「『川口盛人ゴスペル隊』に参加して良かったことは何ですか」と聞いてみた。すると、「50歳を過ぎて新しい友達ができたことです」「練習が終わってから仲間と飲むビールが何よりの楽しみ」と、やはり仲間との交流に楽しみを感じている人が一番多いようだ。また「歌っていると健康になるような気がします」と健康維持に役立つと感じている人もいた。
ゴスペル隊が結成されるきっかけとなったのが2007年に開かれた第4回「きらり川口盛人式」だった。当時、川口市では50歳を迎える人を対象に2年に1回“盛人式”を開いていた(現在は、開催していない)。その4回目の式典に集まったのがゴスペル隊のメンバーを含む“盛人”の市民だった。この年はオープニングでゴスペルを歌うことになり、“盛人”の中から希望者を募って1回限りのグループとして結成された。しかし、式典が終わってから「1回のイベントで終わらせるのはもったいない」という声が起こり、翌年4月に「川口盛人ゴスペル隊」として発足した。
熱心に練習するメンバーの歌声を聴いていると、「入る前から相当歌が上手だったのでは」と思える。しかし、結成当時は「ゴスペルを歌うのは憧れだったけれど、CDなどを聴いているだけでした」(メンバーの一人、齋藤登喜さん=59)というような人がほとんどだった。そんな素人の集まりが初公演を行うまで上達できたのは、佐藤さんの熱心な指導があったからだ。
佐藤さんは、東京外国語大学の学生時代にブラジル音楽に傾倒、大学卒業後はゴスペルを中心に活動しながらもジャンルを問わずにミュージシャンのコーラスやレコーディングに参加、またコーラスのワークショップや講師を務めている。
仲間と歌い続けて今年で10年目を迎えた「川口盛人ゴスペル隊」。これまで川口JAZZフェスティバルなど地域を中心にさまざまなイベントに出演してゴスペルを歌ってきたが、8月に川口リリアで初めて開く演奏会では、これまで練習してきた曲の中からメンバーが自ら選曲した曲を歌う。
代表の高橋洋文さん(61)は、「発表会が終わってからも同世代のみんなと歌う楽しさを分かち合っていきたい」と話す。 |
川口盛人ゴスペル隊 ☆ 輝き“shine”輝き ☆
8月20日(日)午後1時、川口総合文化センター・リリア(JR川口駅徒歩1分)1階催し広場で。
予定曲は「上を向いて歩こう」「時代」「オー・ハッピー・デイ」「アメージング・グレース」「ジョイフルジョイフル」ほか。無料。主催は盛人国際ボランティアの会。
問い合わせは高橋 Tel.090・8303・4672 |
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