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多世代バンドが奏でる懐かしの音楽 アマチュアバンド「ハヤシンチと愉快な仲間たち」 |
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練習でチューリップの「青春の影」を歌いながらドラムをたたく林明美さん |
14日に草加市でコンサート開催
草加市などで活動するアマチュアバンド、「ハヤシンチと愉快な仲間たち」。20代〜60代という幅広い世代で構成する総勢16人のメンバーが演奏するのは、アメリカや日本で大ヒットしたポピュラー音楽が中心だ。若者に助けられながらシニアも演奏に熱を込める。そんな家庭的な雰囲気が好評で、毎年開くコンサートには中高年が多く集まる。14日に9回目の「今年も5月だ…『春よ来い! コンサート』」を開催する。今回のテーマは「チャレンジ!」。果たしてどんな挑戦が飛び出すのか—。
「春よ来い! コンサート」の本番を1カ月後に控えた4月中旬、越谷中央市民会館音楽室では女性4人が練習に余念がない。イルカが歌って75年に大ヒットした「なごり雪」。その間奏でギターとキーボードの調子がそろわない。何度か楽譜を見ながら合わせようとするギタリストとキーボードの3人。そこにスティックを持ったドラム担当の林明美さん(58)も加わる。
4人が意見を出し合って、キーボードの演奏を少し変えることで問題が解決すると、途端にその場の雰囲気は和んだ。たとえ入場無料のコンサートではあっても、「あいまいなまま、お客さんの前で演奏できない」と4人は真摯(しんし)な姿勢で演奏に取り組む。「一曲一曲を自分たちがイメージする曲にみんなで仕上げていく。その過程が楽しいですね」と林さんはバンド活動の面白さを語る。
ドラムをたたき、ボーカルを担当する林さんだが、実は9年前までは楽器を演奏したことがなかったという。「若い頃から好きでやっていたのは、ジャズダンスやタップダンス。コンサートに出ることになってギターをやってみましたが、挫折。でも、人前でやるのは苦手じゃないのでボーカルで参加しました」
中学校の国語教師を辞めてからは家庭の主婦に専念していた林さん。今のようにバンド活動にのめりこむようになったのは、バンドリーダーが夫・克俊さん(62)だったからだ。克俊さんは若いころから大学のジャズ研究会などで音楽をやってきた。卒業後も仕事の傍ら音楽と関わり続け、一時、ビッグバンドやラテンバンドに所属してベースやギターを演奏していたという。
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昨年の公演後の打ち上げで健闘をたたえ合うメンバー |
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レゲエや踊りにも挑戦
そもそも「ハヤシンチと愉快な仲間たち」というバンドが誕生したのは、中学生の子どもが卒業記念にライブ演奏をやることになったことがきっかけ。その中学生バンドと克俊さんが職場の仲間と結成していた郵便局バンド、それに林さんの家族5人が「ハヤシンチと愉快な仲間たち」として結集した。ただ、メンバーが16人もいるので、全員で演奏するのは2曲程度。曲ごとにメンバー内が組んで演奏しており、林さんらも「AMYE(アミー)」というグループで登場する。
「AMYE」は林さんが声を掛けて3年前に集まった女性を中心としたグループ |
さて9回目となる今回のコンサートでは、バンドの多様性にチャレンジする。たとえば、レゲエのリズムでプレスリーの「好きにならずにいられない」を演奏するのに合わせて、林さんがEXILEのような振り付けで踊る。八重山諸島・竹富島の民謡「安里屋(あさとや)ユンタ」やママス&パパスの楽曲「夢のカリフォルニア」にも初挑戦する。
「ハヤシンチと愉快な仲間たち」のコンサートには毎年多数の高齢者が来場している。「アットホームな感じであったかい気持ちになったとよく言われます。最後に、会場の皆さんと歌うんですが、一緒に歌えてうれしかったという感想も多かったですね」と林さん。年1回の定期公演のほか、バンドのメンバーは老人ホームなどの高齢者施設にも出張演奏している。声を掛けてみてはいかが─。 |
今年も5月だ…『春よ来い! コンサート』
14日(土)午後2時半、草加市立勤労福祉会館1階ホール(東武スカイツリーライン新田駅徒歩7分)で。
曲目は、翼の折れたエンジェル、安里屋ユンタ、なごり雪、夢の中へ、デイドリーム、好きにならずにいられない、夢のカリフォルニア、恋におちて、海の声ほか。入場無料。
また、当日は15年ぶりの復活ステージとなる「SIMPLE CASUAL BETTER MASK BAND」が友情出演する。バンジョーやマンドリンとハーモニーが聴きものだ。
問い合わせは林 Tel.048・942・2893 |
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