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  埼玉版 平成27年6月号  
歌に、芝居に、再び輝く  歌手・園まりさん

オペラ歌手志望だったという父の「荒城の月」を子守歌に育った園さん。小学4年生で童謡歌手の安西愛子に師事、「ビブラートの効いた大人っぽい声」で童謡を歌っていたという
42年ぶりに映画出演
 「逢いたくて逢いたくて」「何も云わないで」「夢は夜ひらく」などのヒット曲で知られる歌手の園まりさん(71)が13日(土)から上映される「道しるべ」で42年ぶりに映画出演し、落ちこぼれた男をまっとうな人生へと導く老婦人役で好演している。一時期、芸能界から距離を置いていた園さんだが、父との死別などを経て、歌を通じた観客との心の交流に歌うことの使命を見いだしたと話す。芸能活動の一方で98歳になる母の介護や老人ホームへの慰問にも精力的な園さん。「仕事をしていて今が一番楽しい」と瞳を輝かせる。

 「監督が自然体で(演技を)任せてくれたので、撮影現場でもすんなり入っていけました」と久しぶりとなる映画出演について語る園さん。右に行くべきか、左に進むべきか—、そんな岐路で間違った道へ進もうとしている詐欺犯の男2人が、老人カップルによってまっとうな道へと導かれるという内容の映画「道しるべ」。「この映画は、人生に迷い漂流している人が経験を通じて成長していく姿を描いています。ぜひ、見てほしい」と話す。

 最近の園さんは映画に出演する一方、歌う方でも中尾ミエや伊東ゆかりとの「三人娘」が今年で復活11年目に入り、歌って踊ってのコンサートを繰り広げるなど、生き生きとした芸能活動を行っている園さん。一時期のブランクを感じさせない輝きぶりを見せている。「年を取るに従って熟成されるものがあると思います。仕事の幅も広がって、やりたいことがいっぱいあります」と意欲的だ。園さんが“復活”するきっかけは父や姉、弟の死や自らの大病、それに母の介護を経て、歌う使命を見いだしたことによるものだった。

 1944(昭和19)年神奈川県横浜市生まれの園さん。高校生の時にテレビの公開オーディション番組で優勝したのがデビューのきっかけだった。

「何のために歌うのか」
 その後、大手芸能プロダクションに所属し、62年「鍛冶場のルンバ」でレコードデビューした。その後、中尾ミエや伊東ゆかりと共に「三人娘」として、瞬く間に国民的アイドルに—。そして、「何も云わないで」のヒットを機にソロで活動する。63年からNHK紅白歌合戦に6回連続出場。この時期、映画では渡哲也、杉良太郎、高橋英樹などと共演している。

 ヒット曲に恵まれてはいたものの、25、6歳頃から心の中は空虚感にさいなまれるようになっていた、と園さん。「自分は何のために歌っているのだろう。ヒット曲を出すことだけが目的なのでは。すると自分は商品なんだと思って、むなしくなっていきました」と当時の心境を明かす。むなしさが高じて自分から仕事を拒否することもあり、次第に芸能界から遠ざかって行くことに…。「大恋愛をして結婚して、とにかく普通の女性のように生きたかった」と話す。

 その後も長く、「何のために歌うのか」という問いに対する答えが見つからない状態は続いたが、「これ以上の年齢になると自立できなくなる」と43歳の時に自活を決意。一緒に住んでいた母と離れて一人で暮らし、30年以上も付いてくれたスタッフとも別れた。

 これが園さんの転機となる。ウオーキングを始め、一般の主婦と話す機会もでき、徐々に生活の実感に満たされるようになる。「小学生で童謡歌手になってからずっと、父や音楽事務所からレールを敷いてもらって芸能界で働いてきました。そのため自分は大人たちに人形のように操られているという意識があって、人間不信に陥っていました。それが一人暮らしを始めたことで世間を知ることになり、次第にほぐれていったんです」と話す。

 そんな時、疎遠になっていた父が肺がんで入院する。父が亡くなる2カ月ちょっと前、沖縄で母の日を記念したコンサートに出演していた園さんは「逢いたくて逢いたくて」を歌った。すると、会場で聴いていた母たちが涙を流している—。その瞬間、園さんは観客との心の交流を実感すると同時に、なぜ父が自分に歌うことを勧めてきたのかという理由が分かり、父と絆を結び合えたと感じた。

 そのことを病院で伝えると、父は「毬子(本名)は歌が天命なのだから、絶対に忘れちゃだめだよ」と話したという。沖縄でのコンサートを機に「もう一度心を込めて歌おう」と決心した園さん。もう、歌う目的に悩むことはなかった。

 父が亡くなる以前に弟が、4年前には姉が亡くなり、自身も6年半前に大病を患った園さん。「でも、試練を受けるたびに逆に心は強くなる。歌の心が引き出されるように感じています」と話す。

 園さんの心の支えになっているのは98歳になる母の存在だ。仕事が入っていない時には、高齢者専用マンションに住む母の部屋に泊まることが多いと話す。「母は車いすなのですが、自分で歩きたいとリハビリに努めています。そのおかげで最近は筋肉がついてきたようです。また、ピアノにも挑戦しています」と園さん。母の生きる意欲に刺激を受けて、自分もいろんなことに挑戦していきたいと考えている。


©2015 幻野プロダクション
道しるべ  日本映画
 振り込め詐欺の受け子と見習い介護士が、それぞれ逆の迎えの車に乗ったことからドタバタ喜劇が始まる。園さん演じる、振り込め詐欺にだまされそうになる老婦人・千代子に恋心を抱く独身老人の志村の老カップルが2人の男と絡んでいき…。

 監督:田中じゅうこう、出演:仁科貴、金谷ヒデユキ、浜畑賢吉、園まりほか。97分。
 13日(土)から角川シネマ新宿(Tel.03・5361・7878)ほかで上映。

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