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  埼玉版 平成23年12月号  
サムライブルーの源流  釜本邦茂さん

京都出身で選手としてヤンマーディーゼル、日本代表で活躍後、ガンバ大阪監督などを歴任した釜本さん。今は(株)釜本企画社長として大阪に住む。埼玉には高校サッカーやガンバ大阪監督などの時によく訪れたと言う
子どもらを指導し サッカー選手育成
 なでしこジャパンのワールドカップ優勝などの成果を出した今年の日本サッカー。来年開催されるロンドンオリンピックを前に自然と期待も膨らむ。今や、アジアでトップレベルに達した日本サッカーだが、ナショナルチームであるサムライブルーの源流といえるのが43年前のメキシコ五輪で銅メダル獲得した選手たち。その時、エースストライカーとして大活躍したのが釜本邦茂さん(67)だ。このほど、埼玉スタジアム2002で行われたイベントで埼玉県を訪れた釜本さんに日本サッカーへの熱い思いを聞いた。

 釜本さんの現役時代のポジションはフォワード(FW)。日本サッカー史上不世出のストライカーといわれる釜本さんは、日本代表として出場した13年間、76試合で75得点(国際Aマッチ)をあげた。この記録を今年7月になでしこの澤穂希選手が破って話題となったが、それまで34年間も破られなかったことに改めて驚いてしまう。ちなみに男子の得点記録は依然、釜本さんが持っている。

 その釜本さんの目に今の日本サッカーはどう映っているのか。「昨年のワールドカップで男子が決勝トーナメントに進出し、今年、ザッケローニ監督でアジアカップ優勝、そして女子のワールドカップ優勝とオリンピック出場権獲得などアジアの中では負けないレベルになっている」と評する。

 大日本蹴球協会(現日本サッカー協会)の創立から数えて90年になる歴史の中で、マイナーな時代が長く続いた日本サッカーだが、確実にレベルアップしている。ただ、「世界のトップレベルと比べるとまだ、実力差はある」と釜本さん。来年のロンドンオリンピックで女子は「メダルを狙えると思う。しかし、金を獲るのは簡単ではない」と予想。男子は来年3月まで行われる予選を勝ち抜いて出場権が得られても「ベスト8にまで行けばよくやったといえる」と見ている。


子どもたちがサッカーが楽しいと思える環境づくりが大事、と釜本さん
メキシコ五輪で花開く
 それにしても、それまで予選敗退を繰り返し、オリンピックに出場しても勝利が遠かった日本サッカーがなぜ、メキシコ五輪で銅メダルを獲得できたのか。

 その理由について釜本さんは、メキシコの4年前に開催された東京オリンピックを控えての強化策が功を奏したからだと言う。ポイントになったのはドイツから日本代表チームのコーチとして招聘(しょうへい)したデットマール・クラマーさん。クラマーさんが教えたのは、サッカーはこうやらなければ、という基本の動き。「体に覚え込ませるように教え込まれた」と釜本さん。例えば、ボールをゴールに蹴り込む時にはどんな方法で蹴るか、どう蹴ればボールが狙ったところにいくかと理論的に指導したという。

 当時16歳で「白紙の状態」だった釜本さんはクラマーさんのこうした指導を素直に受け入れた。これが後に、正確無比と称せられたシュートを生むことになる。クラマーさんの教えが、メキシコで花開いた。

 メキシコオリンピックで7得点をあげ、得点王に輝いた釜本さんは当時25歳。これから世界の釜本として飛躍するチャンスと見られた時、病魔が襲った。ウイルス性急性肝炎にかかったのである。3カ月後に控えていたワールドカップ予選には出場できず、欧州のプロチーム移籍の可能性も消し飛んだ。

 「ヨーロッパに行かなければ」とはやる気持ちはあったが、医者から「完全に治すためにはサッカーのことをしばらく忘れて」と言われて入院。釜本さんは「選手生活の中で最も苦しい時期」と振り返る。

 「でも」と釜本さんは続ける。「あの時急性肝炎にかかったことで、その後日本で長く選手生活をやれたのかもしれない」。あれから40年以上たった今、冷静に当時の自分を見られるようになった。

 そんな釜本さんの生きがいともなっているのが子どもたちにサッカーを指導すること。年30回以上、延べ1000回を超えているという。

 プロリーグのJリーグ人気やなでしこジャパンの活躍でサッカーに対する親たちの関心の強さを肌で感じている、という釜本さん。このサッカー熱を継続させることが、将来の優秀な選手を生み出すことにつながると考えている。そのためにも天然芝あるいは人工芝のグラウンドを増やすなど環境づくりが大切だと力を込める。

 「もう子どもたちと一緒に走ったり、ボールを蹴ったりはできないが、子どもたちがサッカー選手を目指す中でどんなことをしなくてはいけないか、ということを伝えるのが私の使命」と話す。86歳になった今もまだサッカーを教えているクラマーさんが釜本さんの目標なのかもしれない。

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