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自作のマフラーを首に巻く斉藤さん(左)とサンダルを手に持つ浦野さん(川越・名細市民センターで) |
週末、シニア男性が自分たちで企画した講座を地元公民館で開いているのが川越市の「男のゆうゆう塾」だ。活動を開始して12年になるが、毎年3月には「なぐわし友遊まつり」と称し、1年間の活動記録の展示やもちつきなどを行い、地元の人たちと一緒に楽しんでいる。
地ビール造りやそば打ち、エアロビクス…多彩な活動
「男のゆうゆう塾」は自分たちが講師を務めたり、外部の講師を招いて勉強会を行ったり、七宝焼きや編み物などを体験したりと、その内容はさまざま。
これまで、地ビール造り、そば打ち、和菓子作り、外国料理、郷土料理、絵手紙、エアロビクス、着物の着付け、一文字書道、マス釣りなどの講座を実行している。
塾の会員がみんなで企画を出し合って、年度ごとに実施する企画を決定、それを1年通して行っていく。例えば、講座で使用する資料の作成や自分たちで造った地ビールを保管するなど、いろんな仕事を全員で分担して行っている。そんな共同作業を通して、仲間意識が育まれるという。
「退職後は家の中にこもる男性が多い。そういう男性も仲間と助け合えばいきいき活動できますよ」と話すのは、塾の代表、斉藤誠さん(67)だ。斉藤さんは定年後、まだ体が元気なうちに参加することを勧める。体が動きにくくなると講座だけに参加することになりがちだからだ。「共同作業に参加しないと、1年間たってもみんなとなかなかなじめない」と斉藤さん。
塾は、毎年7月〜翌年3月までの期間、毎月第1・第3土曜日、年22回開いている。
塾がスタートしたのは1999(平成11)年。名細(なぐわし)公民館の事業として、市内在住、在勤の男性を対象にした講座「男の週末友遊学」が始まりだ。04年からは公民館事業から独立し、自主企画の講座「男のゆうゆう塾」として継続している。現在、20人のシニア男性が活動している。会費は年5000円で、外部から招いた講師への謝礼や年度末に行う「まつり」の経費になる。
斉藤さんはスタート時から参加。長年、森林開発関係の事務に携わってきたが、60歳の定年を5年後に控えた55歳の時、ストレスから難聴になった。「地域での活動を行いたい」と思っていた斉藤さんは、夫人からの強い勧めもあって参加したという。定年を機に60歳からは仕事を辞め、男のゆうゆう塾の運営に集中している。
また、浦野和典さん(63)は工事関係の技術や事務の仕事を勤めてきたが、定年を間近に控えた56歳の時、自宅から歩いて5分の公民館で活動しているのを知り、01年から参加。得意の写真を使ってのチラシ作りや資料作りで貢献している。また、定年後は毎年、3カ月程度の時間をかけてメキシコ〜ペルー、中国、インドなどを一人旅。この一人旅の体験を語る講座を同塾で担当。現地で撮影した豊富な写真を使っての話は人気講座の1つになっている。
現役も増える
定年後の男性は、社会とのつながりが途切れがち。現役時と違って他人と交わる機会が少なくなるからだ。そんな時、地元の活動に溶け込めるかどうかがポイントになる。
しかし、「最近は、定年後も再就職する人が増えている」と斉藤さん。同塾の参加者も半数以上が現役を継続しているという。「いろんなことをみんなと一緒にやってみようという男性なら会員として歓迎します」と斉藤さんは話す。 |
「なぐわし友遊まつり」が終わると1年間が終了する。昨年の同まつりの後、会員メンバーが集合 |
「なぐわし友遊まつり」
27日(日)午前11時〜午後3時、名細市民センター(東武東上線鶴ケ島駅からバス)で。
川越市内在住の男性の講座「男のゆうゆう塾」が企画する同まつりは今年で10回目。1年間に行った講座内容の写真や作品の展示、もちつき、豚汁の試食などがある。参加無料。雨天決行。
問い合わせは斉藤 TEL.049・231・5233 |
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