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6月に行われた設立発表会
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映画のバリアフリー化推進
制作など15団体が賛同
試写会やイベントも実施
映画作品のバリアフリー化─誰もが新作映画や往年の名作を楽しむことができる環境づくりを推進しようとNPO法人「メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)」がSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ(川口市)を拠点に6月に結成された。同法人は映画の制作、興業、流通にかかわる団体や障害者団体、著作権者など15団体の賛同を得て「聴覚障害者用字幕」と「視覚障害者用音声ガイド」の蓄積、管理、提供を一元化していくことを目的としている。
字幕・音声ガイドを一元管理
メディア・アクセス・サポートセンター事務局長の川野浩二さん(46)は「現在、国内には視覚障害者が約30万人、聴覚障害者も同程度、また高齢により難聴に悩む人が600万人以上、その他日常生活に不便をきたしている方も入れると約1000万人に達するといわれております。それに対し、昨年公開された邦画448作品のうち日本語字幕、音声ガイドに対応したものは15%程度です」という。
事務局員の徳江さやかさん(36)は「映画はコミュニケーションツールとしてとても良いものだと思います。たとえば職場や家庭で人気映画の話題が出た場合、障害者は話の輪に入って行けないことが多かったのですが、字幕や音声ガイド付きで上映されれば楽しさを共有できると思います」とも話す。
近年は映画を劇場で鑑賞するだけでなくビデオ、DVDなどさまざまな形で鑑賞できるようになってきている。
人材養成や機器開発も
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川野浩二さん
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徳江さやかさん
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川野さんは「しかし現状は、劇場上映やテレビ放映の際に字幕が付いていても、DVDになると付いていないといった不便さがあります。インターネットを使った字幕配信サービスなどもありますが、個々に字幕、音声ガイド入りのDVDを作成するとなると、かなりの費用がかかってしまい、それでは1企業では手が出しにくいのです。すべてのメディアに使えるような字幕、音声ガイドを一元的に管理し必要に応じて提供できるようになれば利便性が高まると思います」と話す。
また同法人は、他のNPO、ボランティア団体、企業などと連携し、日本語字幕・音声ガイド制作者の養成、携帯端末による字幕表示、音声ガイド送出端末の研究開発、日本語字幕・音声ガイドを使った映画上映の普及促進も今後の活動の核にしている。さらに普及促進を図るためのバリアフリー映画祭や試写会などのイベントも実施していく計画だ。
徳江さんは「イベントを開催するときにスタッフだけでは手が足りないのが現状です。たとえば上映の際に席まで誘導する、筆談や手話、端末機器の扱い方を教えるなどボランティアとして手伝ってくださる方がいらっしゃればありがたいですね、中高年のみなさんもいろいろなボランティア活動をしておられると思いますが、私たちの活動にもぜひご協力いただきたいです」と話す。
川野さんと徳江さんは「まだまだ課題はありますが、さらに多くの企業や団体に賛同・協力いただき、感動をみんなのものにできる環境づくりを進めていきたいです」と話す。
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NPO法人MASC
問い合わせ:TEL048-262-1770 |
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