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男性陣が作り 女性が配達 栗橋町/栗橋ボランティアKCC |
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3斑に分かれて料理を作り弁当にする |
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平均71歳の料理人たち 弁当を単身老人に
平均年齢71歳の男性陣が料理を作り、単身老人に弁当を宅配して16年目に入った「栗橋ボランティアKCC」。“継続は力なり”をまさに実践してきたその裏には、会員たちの友情と福祉に対する温かい思いやりの気持ちが長続きしている要因。女性のボランティアグループの「栗橋ボランティア友の会」とも緊密な連携の下、「じいさんが作ってばあさんが配達していますよ」と名誉会長の小倉孝行さん(84)は笑いながら語る。
KCCの生い立ちは1992(平成4)年2月に始まった栗橋町社会福祉協議会主催の「おじいちゃん料理教室」で知り合った20人が講習会終了後に「熟年栗橋クッキングサークル」を結成した。
結成を機に互いに交流の場とし一層の親睦を深めるなどを主眼としたが、社会に対する感謝の気持ちから「地域福祉活動」を推進することになった。これが単身老人への弁当宅配になった。
「当時からのメンバーは3人しか残っていません。現在会員は27人。和気あいあいと楽しい料理作りです」と会長の松沼精治さん(77)は話す。
宅配日は第1・3火曜日でその日は午前9時に集合、食材調達班は8時過ぎに始動する。第2火曜日は全体研修と試食会で次の弁当の試作をして備える。「味付けは前会長の小倉さんのOKが出て初めて料理として完成します。でないと味が毎回変わる恐れがありますので」と松沼さん。弁当はボランティア友の会が安否確認を兼ねて、25〜30人に無償で配布している。
「その日は弁当が来るのを楽しみにしていて喜んでもらっています。弁当だけでなく配達してくれる人と会話が弾むこともありますしね」と作る人、配る人、受け取る人が高齢者で輪ができ上がっている。
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小倉さん(左)と松沼さん |
皿洗いからスタート
ある日の献立は豚肉のロース肉ソテー、厚揚げのオイスターソース煮、ホウレンソウの白あえ、ポテトサラダ、香の物、果物。弁当の上には献立表と次回の配達日などを表したチラシを添える。
あす8日(火)の献立は煮込みハンバーグ、新ジャガイモと絹さやの煮物、五目きんぴら、キャベツとキュウリの香の物、果物(スモモ)。
「食材は1週間前に発注してその日に備えます。しかし地元の有志がコメや野菜を差し入れしてくれて助かっています。コメは買ったことがないのでは」と地元の理解が大いにあると小倉さんは話す。
同会は現在、63〜84歳の27人で運営している。「入会してくる人はほとんどが料理の知識がない人。最初は皿洗いから始まって包丁の使い方など料理人の小倉さんから教わります。わたしは94年に入会しましたが、最初は料理知識がなくてやはり小倉さんから指導を受けました。食材・調味料などの扱いや自由な発想による献立が今日の成果になったと思います。やっと恥ずかしくない弁当になったと思いますよ」と松沼さん。
ボランティア活動は会員の若返りにも効果がある。献立を作り、食材を計算して、手先を使うため脳の働きも良くなるという。小倉さんは「なんといっても友人ができることですよ。この仲間で年に1回1泊旅行にも行きます」と全員が目標を持って一つの事を成し遂げている。
栗橋ボランティアKCC
問い合わせ:TEL 0480-52-2131(松沼) |
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