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毎日睡眠時間は4時間以下だが、美肌の宮腰さん。「洗顔後、念入りにマッサージすることが大事です」(経営する化粧品店で) |
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演歌「近江八幡 恋もよう」が好評
川越市在住の宮腰カズ子さん(59)が2007(平成19)年7月、演歌「近江八幡 恋もよう」のカセットを発売した。東京・小金井で長く化粧品店を営んでいる宮腰さんは、50歳ころから歌に熱中。埼玉を中心にカラオケ大会に出場し、数々の賞を受賞した。03年に日本大衆音楽協会音楽祭で文部科学大臣賞を受賞したことをきっかけに、昨年歌をリリース。子どものころの夢であった演歌歌手としての活動がスタートした。カセットはほぼ完売。化粧品店の経営を続けながら、夫の美佐雄さんとともに二人三脚で活動の場を広げている。
化粧品店続け 夫と二人三脚
宮腰さんは秋田県出身。美佐雄さんと結婚後、JR東小金井駅近くに化粧品店を開店した。川越市に引っ越したのは約20年前。そのころ宮腰さんは膠原 (こうげん) 病を患い、歩くこともままならず、「自然に恵まれたところで」と医師に勧められたのだ。
10年が過ぎ、精神的にも安定してきたころ、通勤途中にある狭山の市民会館で開催されたカラオケ大会を聞きに行った。出場者が歌う「父娘坂」を聞いて「わたしも歌いたい」と思い立った。孫の誕生でがぜん元気になった宮腰さんは、「父娘坂」のテープを購入して、自己流で練習した。
毎日深夜、店からの帰路に通る狭山のゴルフ場近くに車を止め、窓を開けて音を流して山の中で1時間歌った。
「主人には毎週日曜、埼玉県内の大会に連れていかれました」。美佐雄さんは「家内の歌にほれた一人ですから」と。宮腰さんも「主人がいなければ今の自分はいませんね」と感謝のまなざしを向ける。
二人三脚で猛練習した結果、宮腰さんは大会で数多くの賞を受賞。出場するごとに歌うことが面白くなっていった。
そしてついに03年の日本大衆音楽協会主催の大会で、「父娘坂」を歌って文部科学大臣賞を受賞した。
子どもの時の夢がかなった
07年1月にプロ演歌歌手として「近江八幡 恋もよう」(作詞:立岡としやす、作曲:柴田良一) を発売する話が持ちかけられた。「『この年になって』と感動しました」。子どものころあこがれていた歌手。「やってみたい」。美佐雄さんにも推され挑戦した。
「レコーディングでは、1番の最後の歌詞『近江八幡、恋もよう』が難しく、何回か歌い直しました」と振り返る。
カセットは完売 歌の指導始める
7月1日に発売。美佐雄さんが知人にダイレクトメールを送ったり、口コミで広がったりして1000本作ったカセットはほぼ完売した。
「風景が歌の中から見えてきます」と言ってくれるファンもいる。歌う時、思いを込めることに気を付けている宮腰さんにとってはうれしい感想である。
また「歌いやすい」との声も多い。だが歌うほどに難しさも感じるようで、宮腰さんのもとへ習いに来る人も出てきた。いまでは日曜日に店でカラオケ教室を開いている。生徒は35人ほど。毎回20人は参加する。
故郷の家族も応援 母と孫元気付ける
環境が変化した宮腰さんを、子どもや孫、故郷の親せきも応援している。昨年危篤状態になった95歳の母は、故郷に駆け付けた宮腰さんの顔を見るなり回復。歌を出してポスターと送ると、訪れた人に演歌歌手になった娘の話をするほどまで元気に。
またサッカーを習っている孫の男の子は、「どうしたらトロフィーもらえるの?」と聞いてきた。宮腰さんは「ババも最初はうまくいかなかった。反省して勉強し直して徐々に小さいものから大きなトロフィーをもらえるようになったんだよ」と答えた。アドバイスを受け練習した結果、出場した大会で準優勝したそうだ。
CD化の話も出て、歌手としての活動はますます忙しくなりそうだ。だが生活の基盤は化粧品店だと言う。両立しながら「これから2曲目、3曲目と出していけたらと思います。まずはこの歌で実績を作らないと」と意気込みを見せる。
宮腰さんの新しい人生の舞台は始まったばかりだ。
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【近江八幡 恋もよう】
価格:1,000円
ご購入・お問い合せ:近江八幡プロ/TEL 042-384-7724 |
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