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埼玉版 平成19年10月号
“ぽっぽや”精神が支える“パレオエクスプレス”20周年
機関士/松田功さん
群馬・みなかみ町で父親、妻、息子と暮らす松田さん。早朝出勤、通勤時間2時間半、就寝時間も遅い生活が長年続く。「飯を食う時間は全部違います。家族の理解がなきゃできないです」
1988 (昭和63) 年、さいたま博覧会の目玉とするため、吹上町立(現・鴻巣市立)吹上小学校の校庭で保存されていた蒸気機関車C58363号機が工場で修繕・復元された。幻の海獣「パレオパラドキシア」の化石が秩父地方で発見されたことにちなんで愛称が付けられたこのSL、パレオエクスプレスはことし、運行20周年を迎えた。
20年にわたって秩父鉄道を走り続けられたのは、鉄道員たちの熱意によるもの。機関士の松田功さん (65) がその "鉄道員 (ぽっぽや) 精神" を語った。
助士との息 SLの魅力
「鉄道に携わりたい」。群馬・みなかみ町出身の松田さんが旧国鉄の高崎鉄道管理局でSLの機関助士になったのは、61年。数年後に機関士となった。パレオエクスプレスと同じC58 (シゴハチ) 形も運転した。「中型のシゴハチは、使い勝手がいいね」
SLの魅力は、「助士との呼吸」と松田さんは言う。SLは機関士と、石炭を燃やす助士で動かす。呼吸が合った時にいい走りができる。「機関士が蒸気使いたいな、と言う前に助士が準備していれば、すーっと行ける」。また帰ってきた時に、「ご苦労さんでした」と言って感謝の気持ちで終わるのもいい、と。
汽笛、いつまでも …
ところが時代の流れでSLから電車へ。もっとSLに乗っていたかったが、松田さんは新幹線「とき」や「あさま」を運転するように。「その時は、またSLを運転できるとは思っていなかったね」
そこにパレオエクスプレス運行の話。初年度からではないが、数少ない機関士経験者の松田さんにも依頼がきた。「おー、やるべや」と、うれしかった。
パレオエクスプレスは長い間 "眠り" についていた。「整備は大変だったんじゃないかな。1年目は満足に走れる状態じゃなかったよ」。走っている間に止まることも。駅ごとに機関車の下にもぐって給油した。
直し直し走っていくうちになんとかスムーズに走れるようになった。それは松田さんらベテラン鉄道員の努力のおかげ。
SLの扱いはデリケートで、操作一つで寿命が縮まるそうだ。「造りがものすごく精密。昔の人はたいしたものを造りました」。部品を作る人がいなくなったため、修繕も松田さんたちベテランがいないと難しいという。
きつかった5年間 定年後の余裕なし
パレオエクスプレスが走り出してから途中5年間は、機関士2人、助士1人しかいない時期があった。走っていない時も、車庫で石炭の火は燃えているため、毎日出勤する。
「きつかったね」
定年を迎えても、「定年後」を考える余裕すらないまま引き続きJRから出向して秩父鉄道で働き続けた。松田さんは鉄道に携わった約50年のうち、通算して約30年SLと過ごした。SLが好きだから続けられた。
ファンとの交流 再訪によろこび
また、乗客の喜ぶ顔も原動力のひとつ。運行当初は観光ついでの乗客が多かったが、いまはSLに乗ることが目的の乗客がほとんど。夏休み期間中や紅葉の時期は混んでいて予約なしには乗れないことも。かつて単なる交通手段だったSLは、いまや老若男女を魅了する。松田さんは、そんなSLファンの子どもとの触れ合いも楽しむ。20年もたてば、運行開始時の子どもは社会人になっている。成長したファンたちが、「わかりますか?」と訪ねて来てくれるのがうれしいと目を細める。
「初めは3年くらいしか持たないと思っていた。パレオエクスプレスには相当無理してもらっている」。長く走ってもらうためにも、手入れをしてうまく付き合いたいと言う。
機関士席に座る松田さん。運転室内は50度にもなると言う
ヘルニア耐えて 後継者を育成中
無理をしているのは松田さんも同じ。松田さんはヘルニアで1年間歩けなくなったことがある。完治しておらず、いつまた歩けなくなるかわからない。
「おれよりもこいつ(パレオエクスプレス)のほうが早くくたばると思っていたけど、とんでもなかった」と笑う。「機関士がいなくなったからSLが走れなくなったというんじゃね」。腰はつらいが、責任感が打ち勝っている。
後継者を、と現在秩父鉄道の運転手だった30代と40代の2人を育成している。
師弟関係作らない 生ものは食べない
パレオエクスプレスに携わるのは現在10人。職場に足が向かなくなると困るので、出勤するのが楽しみな職場にするように気をつけている。先輩後輩、師弟関係は作らない。「共同体だよね」。技術を伝えるにしても、お仕着せだと応用がきかなくなるから、自分で考えさせる。
「良い職場です。何かあると、休みだろうと飛んできてくれる」。
松田さんも責任感の強さから、生ものを食べないなど健康管理を徹底している。「人任せではなく、自分でやらなきゃ、という気持ちがみんなにある。"ぽっぽや" 精神だよね」
秩父路にいつまでも汽笛が鳴り響くように、鉄道員たちは今日も気を引き締める。
パレオエクスプレスは3月から12月、土日・祝日を中心に熊谷駅から三峰口駅間を1日1往復運転している。
「SL運行20周年写真集付記念乗車券」が12月3日(月)まで、秩父鉄道各駅の窓口で発売中 (なくなり次第終了) 。写真集は、運行開始から現在まのSLパレオエクスプレスの勇姿を、四季折々の秩父の風景とともに紹介。1部1840円。
問い合わせ :
秩父鉄道営業推進課
TEL:048-523-3313
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