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定年目前の団塊世代よ!地域に参加しよう 昨秋オープン/さいたまふるさと館 |
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「さいたまふるさと館」を運営するメンバー |
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市民自らが地域の情報を発信
"2007年問題"という言葉が言われて久しい。1947(昭和22)年生まれを中心とした団塊世代が今年大量に定年退職を迎え、社会でもさまざまな問題が懸念されている。「定年したらぜひ自分の地域を見直してほしい」。そんな思いから06年10月、さいたま市浦和区に市民が運営する地域情報発信基地「さいたまふるさと館」が開館した。さいたま市とさいたま商工会議所、NPO法人「さいたまふるさと塾」が市民の地元意識向上を目指す協働事業として実施。「いざ定年を迎えても、地域とどのようにかかわっていけば良いか分からない」という定年退職者が連日訪れ、館内はにぎわいを見せている。
運営に携わるNPO法人「さいたまふるさと塾」は02年に設立。会員の大半が定年退職者で、現在は74人が所属。市内の遺跡や伝統的建物、自然を巡るフィールドワークを定期的に開催している。理事長の三宅稜威夫(いづお)さん(69)は39歳でゼネコンを退職、早くから地域活動に積極的に取り組んできた。「ふるさと館が地域の情報を知る一助だけでなく、中高年のたまり場としても活用されればうれしいです」と開館の喜びを話す。
同館はJR浦和駅西口から徒歩5分の中山道沿いにある3階建てビル。電力会社所有の空きビルを利用し、1階は中山道や浦和宿本陣跡、調神社、玉蔵院など、浦和の名所旧跡をパネルやポストカードで紹介する「ふるさと情報センター」、2階は写真や絵画などを市民が展示できる「ふれあいギャラリー」、3階は今春に各種講座の開講が予定されている「ふれあい研修室」となっている。
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「こまや折り紙で遊ぶコーナーもあり、週末は家族連れも多く訪ねてくれます」と三宅さん |
館の運営は主婦と定年退職者
館内の案内や受付は、元会社員や主婦といった同NPOの会員がローテーションで担当。「サラリーマン時代は自宅と会社の往復ばかりでまったく地域に関心がなかった」と話す会員も、今では率先して観光案内役を担う。
今から約40年前に旧浦和市に引っ越してきた三宅さんが"地域"を強く意識するようになったのは子どもとの会話がきっかけ。自身の長男が小学校の時、夏休みの宿題で「見沼」や「氷川神社」についての作文を書「こまや折り紙で遊ぶコーナーもあり、週末は家族連れも多く訪ねてくれます」と三宅さんいかと子どもから相談されたが、三宅さんは答えられなかった。「長年浦和に住んでいたのに子どもにきちんと説明できなかったのはとても恥ずかしくて…」。以来、市民文化センターを立ち上げ、寄席や史跡巡り、古本市など、さまざまなイベントを開催し、地域活性化に取り組んでいる。
三宅さんは「このふるさと館は公的機関でないので、市民1人1人が運営に携われる点も大きな魅力。定年を迎えた人も、間もなく定年を迎える人も、このふるさと館を通じて地域というものを強く意識し、積極的に地域に飛び込んでほしいですね」と話す。
『さいたまふるさと館』
住所 : さいたま市浦和区高砂2の5の15
アクセス : JR浦和駅西口を出て中山道方面へ。徒歩5分
開館時間 : 午前9時〜午後5時。月曜休館(年始は6日から開館)。入場無料。
問い合わせ : TEL 048-822-2548 |
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