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子どもの喜ぶ姿に“喜び” 我孫子市の「我孫子おもちゃの病院」 |
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修理が終わっておもちゃを手渡す時、子どもの目が輝くという |
「子どもに直したおもちゃを手渡した時の喜ぶ笑顔を見ているとこちらもうれしくなります」と笑顔で話すのは「我孫子おもちゃの病院」院長の村上悳哉さん(83)。村上さんは11年前から我孫子市の「我孫子市ふれあい工房」でおもちゃの修理をしていた。そこへNHKのおもちゃ修理の養成講座を受講した福岡豊安さん(73)が、一人で修理をしていた村上さんを訪ね「病院を設立しないかと持ちかけて2013年12月に立ち上げました」と福岡さんはいきさつを話す。
毎週日曜の午後開院
病院を立ち上げるに先立ち「おもちゃドクター養成講座」を開き、講座修了生と8人でスタートした。現在は院長含めて12人で活動している。
「病院」の目的は(1)子どもに物を大切にする心を育む(2)ドクターの豊富な経験と知識・技術を生かす(3)地域の社会福祉活動の担い手となる—などとなっている。
今年も10月に養成講座を開講するが、その担当者の藤田貞雄さん(67)は養成講座の1期生。「親子でおもちゃを持ち込んできて、私が『どこが悪いのですか』と聞くと母親が子どもに説明しなさいと促します。どの程度理解できているのか子どもにも勉強にもなります」と話す。
「電池が原因なのが3割で電池切れや正常に入っていないケースが多く、ちょっと注意をすれば動くのですが…」と事務局長を兼ねる福岡さんは笑う。分解できれば半分直ったも同然というのは村上さん。「自宅に持ち帰って直すこともあります。落ち着いて作業できるので効率があがります」と藤田さん。「変わったところでは年配の方が、癒やし系の玩具、つまりロボットを持ってくるケースもありました」と福岡さん。
修理は無料だが部品代は実費で負担してもらう。約100〜300円で済むという。鉄砲など危険なものは受け付けないケースも。また直らない時や分解しただけで症状が悪化することがあるため、事前に依頼者の了解を取る。
物を大切にする心育む
昨年直したおもちゃは180個、今年はすでにこの数を超え、400個近くいくのではないかとみている。
活動は▽毎日曜午後1時〜4時、ふれあい工房(JR天王台駅からバス)▽第3水曜午前10時〜3時、アビイクオーレ(JR我孫子駅徒歩5分)で。これ以外に不定期で出張開院をしている。
「私たちが身に付けた得意とするものが社会的に役立ち、生きる喜びとして私たちに還元されるわけです」と3人は話す。 |
◆おもちゃドクター養成講座(初級編)
10月4日、11日、18日、11月1日(いずれも日)午後1時〜4時、我孫子市ふれあい工房で。全4回で1講座。受講料無料だが別途材料費2000円程度。
持ち物は筆記用具、敷布または古タオル、はんだごて、糸はんだ、ドライバー、ピンセット、カッターナイフ、ラジオペンチ、ニッパー。申し込みは「我孫子おもちゃの病院」ホームページからか、または藤田 Tel.04・7189・0214 |
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