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成田市で“手まり”製作を指導 日本手まり会師範の池田明子さん |
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第2,4水曜に橋賀台公民館に集まり手まりを作るメンバー |
脳と指先を使い、認知症予防にも
69歳から95歳までの女性8人が成田市橋賀台公民館を拠点に「手まり(御殿まり)」を製作、月2回の活動に余念がない。指導するのは日本手まり会師範の池田明子さん(69)。「手まりの製作は頭を使い、指を動かすので認知症予防には最適です。6月には展示会を計画しているので、今はその追い込みです」と手に熱が入る。
同サークルは1998年に橋賀台公民館主催の「御手毬教室」に参加した人を中心に「成田花手毬の会」が19人で結成された。当時のメンバーは3人になってしまったが、その一人、山桐喜美子さん(79)は「作った手まりは家の中にいっぱいです。知り合いに差し上げたりして喜ばれます。先日も大学の先生に差し上げましたら大いに喜ばれました」と話す。
繊細な刺しゅうを施した手まり |
69〜95歳の女性8人で
「1人を除き、初心者です。私は図書館に行って手まりを見ましたが、大変なところに来てしまったと思いました」と大山ユキ子さん(75)。その後にサークルに入会した人は展示会を見て興味を持った人が多いという。その他のメンバーは稲毛智子さん(73)、松浦常代さん(70)、阿部貴美子さん(71)、西塚廣子さん(69)、早川てるさん(95)、安川美智子さん(84)。
池田さんは25年前から取り組みだしたが、今でも講習を受けて技術を磨いている。青森県の出身。「雪国ですので冬は手まりや裁縫などをする家庭が多いのです。母も99歳で亡くなるまで手まりを作っていました」と話す。
池田明子さん |
刺しゅうで模様を施す
製作は発泡スチロールに毛糸を巻き土台を作り、そこに刺しゅう糸で模様を施す。まりの大きさや糸の太さ、色もさまざまあり、その組み合わせで模様を施していく。
模様は幾何学や花、ドラえもんなどのキャラクター、人物などを創作したデザインにして製作する。取り組む模様の難易度は技術のレベルによって異なる。同じ模様でも糸の組み合わせで異なった雰囲気のまりに仕上がるという。
「技術の上達はセンスもありますが、数をこなした方が早いですね」と池田さん。公民館の活動は月2回のために教わったことを家庭に持ち込むこともしばしば。簡単なものは1日に1個仕上げることもあるが、1カ月に1個といった手の込んだものもある。
難しい手まりに取り組むために技術の向上が不可欠。楽しみながら「糸の組み合わせの面白さ」を追求している。
御殿まり=江戸時代に大奥の御殿女中が姫の遊び用に出来栄えを競いあって作られた。優雅で華やかで気品のある御殿まりがやがて城下町から農村に広がり子どもの遊び用として親しまれてきた。近代に入りゴムまりが出現するともっぱら観賞用として作られるようになった。 |
成田花手毬の会 ─ 創作手毬展
6月2日(火)〜7日(日)、米屋市民ギャラリー(JR成田駅徒歩10分)で。
池田さん指導の橋賀台公民館、豊住公民館、酒々井中央公民館の生徒20人が約800個の手まりを展示。問い合わせ Tel.0476・35・3968 |
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