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活動の内容は医療講演会や相談会の開催を年10回、会員の交流会、情報交換を2回行うなど密度が濃い。さらにホームページでは新薬情報、最新治療などのニュースも提供している(会報の発送作業するメンバー) |
「沈黙の臓器」といわれる肝臓。肝臓病(肝炎・肝硬変・肝臓がんなど)の患者や家族が「治りたい」、「治したい」を合言葉に結束した「千葉肝臓友の会(事務局・船橋市)」。発足して四半世紀を超したが、少しずつ活動の輪を広げてきた。会長の村田充さん(76)は「会員も600人を数えるようになりました」と話す。副会長の篠田省輔さん(79)も「このような集まりは全国的にありますが、私たちの会はかなり充実した活動をしております。当会のホームページの閲覧数は1日に3000にも達しています」と胸を張る。
千葉肝臓友の会は全国的に肝臓病患者の団体が発足されてきたことから、千葉県でも設立の機運が出てきて、1989(平成元)年に設立された。
活動の内容は「医療講演会や相談会の開催を年10回、会員の交流会、情報交換を2回行うなど密度が濃いです」と篠田さん。これ以外にも会報誌の発行、電話・面談・メール相談、公式サイトで新薬や最新治療法などのニュース提供、ウイルス検診の促進などで国や自治体への請願活動などを実施している。
「県内にはB、C型肝炎ウイルス感染者が20万人いると推定されています。感染は血液からで輸血や幼いころに行った集団予防接種などが原因です」と村田さん。
左から篠田省輔さん・村田充さん |
「ぜひ肝炎ウイルス検査を」
さらに「自覚症状があまり出ないので、多くの人が感染を知らずに生活しているといわれます。これが慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんに進行することもあります」と話を続ける。
一番の問題は「肝炎ウイルス検査の受診率が約30%と低いこと」と村田さんは指摘する。未検診の人は一生に1回だけの検査なので、一日も早く受診することを勧めている。検診はほとんどの市町村の健康管理課と近くの保健所などで無料受診ができる。各自治体の取り組みもばらつきが見られ、これも問題という。
村田さんは「23歳の時に輸血しまして肝炎になりました。そして58歳の時、2週間会社を休みインターフェロンを投薬しました。今は肝臓の各種数値もよくなっていますが、2カ月に1回血液検査をしています」と万全を期している。
一方、篠田さんも72歳でインターフェロンを投薬して治療に入った。
「私の場合は、原因がよく分からないのですが多分、子どものころの予防接種だと思います。当時は注射針を変えずにアルコールで消毒するだけで使っていました。感染者に高齢者が多いのもこれが原因です。でも昨年の秋から経口新薬が発売され、飲み薬で治す時代が到来しました。副作用があるインターフェロン治療ができなかった人も、肝硬変の人も、高齢の人も飲み薬治療が可能になりました」と話す。
「肝炎は治る時代となってきたので、1人で悩まずに最新の医療情報を知ってベストの治療するよう勧めます」と2人は口をそろえる。
早期発見、早期治療には、肝炎ウイルス検査を受けることが必須である。あなたはウイルス検診を受けましたか?
問い合わせ・入会は Tel.047・460・7055(火・金午前10時〜午後3時半)。会費は月300円。 |
◆医療講演会・相談会
▽1月31日(土)午後1時半、千葉大学医学部同窓会館会議室(予定)▽2月14日(土)午後1時半、茂原市民会館▽2月21日(土)午後1時半、日本医科大学千葉北総病院看護学校講堂▽6月日時未定(船橋市)▽7月25日(土)午後1時、世界・日本肝炎デー市民公開講座(千葉大学病院)▽9月日時未定(柏市)▽10月日時未定(野田市)▽11月、12月も実施予定 |
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