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自分の食事は自分で 浦安市のサークル「じぃじぃクッキング」 |
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和気あいあいと料理に挑戦するサークルメンバー |
高齢者がいつまでも元気で生き生きと暮らすために、自分自身で食に携わり、自分の食事は自分で作ることを目的に発足したサークル“じぃじぃクッキング”。「食事を作るだけではなく、地域社会にとけ込めず、引きごもりがちな男性高齢者に実習へ参加してもらい、外で活動してもらうことも目的にしています」と話すのは会長の脇野兼昭さん(73)。11月で5年目に入る活動も軌道に乗ってきた。
“じぃじぃクッキング”は2010(平成22)年5月〜9月までの5カ月間、浦安猫実地域包括支援センター主催の「男性のためのクッキングひろば(65歳からの食卓)」の料理教室で学んだ卒業生15人が中心になってその年の11月に発足した。
「同クッキングひろば」では、調理技術のほかに▽保健師から介護予防やストレッチと筋肉トレーニングなどの運動▽管理栄養士から低栄養の話やバランスの良い食事▽歯科衛生士から口の健康についてなどを学んだ。
現在同サークルは会員43人で、7人6班に分かれて活動している。「人数が多いために、2日に分けて作ります。月ごとに担当班がレシピを決めて事務局の私がメールで各班に配ります」と事前の準備は担当班と副会長で事務局の高橋資朋さん(81)の仕事だ。つまり担当班は月に2回同じ料理を作る。
本来なら調理師や管理栄養士に依頼して指導してもらうのが普通だが「費用が掛かるために、雑誌や新聞に掲載された数品のレシピをアレンジしています。食材もほとんど4人分で掲載されていますので、これを参加人数分に換算してその日の朝購入します」と高橋さん。計算や指を動かすこと、いかに効率的に仕上げるかなど料理が認知症防止に役立つとしている。
しかし料理は素人のために、少しだけアドバイスしてくれる女性をお願いしている。「口だけサポート」と呼ばれている女性はポイントだけ指導している。それでもゴボウのささがきやキュウリの千切りなど基本や効率的な料理法を教える。
「入会は原則65歳以上で最高齢者は82歳です。中には奥さんから私がけがでもしたらどうするのと背中を押されて来ている方もいます。一人暮らしになった時に不規則な食事にならないために次の事を心掛けています」と脇野さんは話す。
高橋資朋さん(左)と脇野兼昭さん |
地域イベントに出展も
自分の食事は自分で作る。バランスの良い食事をきちんと作る。参加者同士楽しく仲間と作る—をモットーにしている。
活動場所は主に浦安市の公民館。第3金曜日は美浜公民館でそれ以外は各所を巡って活動内容を幅広く知ってもらうことを狙いとしている。各公民館まつりなどの地域イベントに出店して料理を販売している。
脇野さんは「ワンコインで作れるようにしていますが、なかなか納まらないですね」。取材日のレシピはアジの射込み焼き、いり豆腐、杏仁豆腐で1人600円の負担となった。
これまでにたまったレシピの中から自宅でもよく孫に作るという脇野さんは仲間と作る食事こそが健康の源のようだ。全員がこのサークルで知り合った仲間だ。 問い合わせは Tel.047・353・3721 |
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