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芦村さんによる「琵琶湖周航の歌」 |
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県内12カ所で指導
文字はパソコン全盛の時代。しかし、定年時代の読者には懐かしい、時折インクをつけながら書く「つけペン」。このペン習字を教えているのが、成田市公津の杜の芦村加代子さん。千葉市、成田市、佐倉市など12カ所で教えている。「ペンの字は温かみがあって手紙などをもらうと癒やされる方も多くいると思います」と手書きの良さを強調する芦村さんだ。
芦村加代子さん |
芦村さんは大阪生まれの大阪育ち。「母が書道を教えていたので文字を書く環境はありましたが、母には一度も教わりませんでした。ただ比較的字が上手だったので中学2年の時に先生から文部省のペン習字検定を受けてみないかと勧められて3級に合格しました」とその後は2級、1級と合格、文部大臣賞の受賞もある。
その後、教室を開き100人ほどに教えていた。夫も大阪生まれだが、20年前に転勤で東京に単身赴任した。「夫は東京に骨を埋める覚悟で来ていましたので、このままだとずっと離れ離れになってしまい、教室を続けていいものかと考えた結果、100人の生徒には申し訳なかったのですが、私も東京に来ました」。1997(平成9)年の事だ。
どこかでペン習字を教えたいが、右も左も分からず市役所に相談したところ、NHK文化センターを勧められ連絡してみると、ペン習字の講師はのどから手が出るほど欲しいとのことで教えることになった。その後、各公民館からも声がかかり軌道に乗った。 「私は独学で取り組みました。文字にはそれぞれルールがありまして、艹(くさかんむり)や、宀(うかんむり)は小さく、“まだれ”や“がんだれ”は、中に入る文字を少し外に出すことを心掛けるとゆったり美しい字になります」と長年の研究から編み出した芦村さんオリジナルの文字だ。
芦村さんは一人一人丁寧に添削する。上手に書くこつを分かりやすく伝授すると2、3カ月で確実に上達するという。
現在3歳から90歳の生徒がいる。90歳の生徒はペン習字が生きがいだと話す。芦村さんは高齢者には脳や目に刺激を与えて認知症防止にも役立つという。
「私は1日に1枚以上、はがきを書きます」と生徒にも、年賀状、暑中見舞い、手紙など、極力書くことを勧める。
芦村さんは手書きの良さや文字の話になると熱を帯びた口調になり、心の底からペン字、書道が好きなのだと感じられる。
芦村さんの肩書は文部科学省認定1級指導者(毛筆・ペン)、(財)日本書道教育学会師範同会友、NHK文化センター講師ほか。
問い合わせは Tel.0476・27・0112 |
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