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自宅で鈴虫の音色を! 成田市の「なりたすず虫愛好会」 |
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鈴虫を無料配布する会員(昨年) |
16日に成田で3万匹無料配布
♪あれ松虫が鳴いている ちんちろちんちろ ちんちろりん あれ鈴虫も鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん(「虫のこえ」より)
秋の夜長に鈴虫の美しい音色。この鈴虫を愛情をもって飼育し、毎年無料で配布しているのは「なりたすず虫愛好会」。「年々“なりたすず虫まつり”が盛大になってきて我々の会の一大イベントになりました」と話すのは飼育歴43年のベテランで会長の長谷朝則さん(79)だ。今年も16日(土)に配布する。
同会は川崎市で町おこしとして愛好家が鈴虫を無料配布していることを知った成田市美郷台の人たちが「私たちも鈴虫を無料配布したいということで設立しました」と事務局長の山田徳雄さん(65)。当初14人でスタートしたが、現在は27人。最高齢者は88歳の会員がいる。
鈴の音のようにリーン、リーンと美しい声で鳴く鈴虫をペットとして飼ってみたいと思っている人は多くいるのではと同会ではみている。
同会の鈴虫博士こと攝待(せったい)孝二さん(66)は6年前に入会、それまでは鈴虫にまったく興味がなかったが、飼育に夢中になりビデオで生態を撮影、攝待さんなりに勉強した。
「鈴虫の体長は15〜20ミリ。1年サイクルで越年期は8カ月間卵で過ごします。幼虫期は2カ月、成虫期が2カ月です。5月から6月ごろ孵化(ふか)して土から出てきます」と生態を話し始めると熱が帯びてくる。
長谷朝則さん(左)、攝待孝二さん(中央)、山田徳雄さん |
脱皮を6〜7回繰り返し成虫になる。鳴くのはオスで右前羽を上にし、左前羽を下にしてすり合わせて美しい音を出す。鳴く目的は縄張りや連れソングなどといわれているが、一番の目的は求愛のためといわれている。
しかしオスの最期はメスに食べられてしまい、メスはその後卵を産み一生を終える。美しい鳴き声を提供してくれる反面、哀れさも感じられるという。
基本的に雑食性なので動物性と植物性の餌が必要になる。夜行性のため昼は動かず夜になると活発に行動する。天敵はクモ、アリ、コオロギ、鳥類など。
「元気できれいな鳴き声の鈴虫を飼育するためには近親交配を避ける必要があります。そこで各所の愛好家と交換しています」と長谷さん。飼育はそれほど難しくはない上に繁殖力も強いために飼いやすいという。水やりや温度、湿度の管理などが必要だが、なんといっても「愛情を持って飼育する」ことが必要という。
山田さんも「一度は挑戦しましたが、根気がないせいか失敗しまして今、飼育はしていません」と会の運営の裏方の仕事を中心にしている。
7月には子どもを対象に「鈴虫教室」を開催。子どもたちに生き物の大切さを教える情操教育の場になればという。会は会員の情報交換を大切にしてこれからも成田地区の活性化の一助になればとしている。 |
◆なりたすず虫まつり
16日(土)午後1時〜3時、浅間公園(JR成田駅からバス)で。小雨決行。荒天時は翌日。
鈴虫は3万匹用意。当日、飼育ケース持参の人に無料配布(飼育方法の説明書付き)。ケースのない人は実費で分ける。23日(土)、24日(日)の成田ニュータウンで開催される「成田ふるさとまつり」にも参加予定。問い合わせは Tel.0476・22・9659 |
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