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木目込み人形に魅せられ40年 佐倉市の清水真葵菜さん |
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会員への指導にも熱が入る(中央が清水さん) |
人形製作サークル「まきな会」で作品展も
「子どものころから人形が好きでよく遊んでいました」と振り返るのは佐倉市稲荷台の清水真葵菜さん。そして1972(昭和47)年、運命の出合いがあった。上賀茂流真多呂人形(木目込み人形)の「光源氏」を見た時だ。「その優雅さに大きな魅力を感じました」という。その後、自ら人形製作に携わり、83年に人形製作サークル「まきな会」を発足。毎年作品展を開いているが、今年は集大成ともいうべき佐倉市の旧堀田邸(国重要文化財)で「佐倉藩主ゆかりのお屋敷でひな祭り」とのテーマで行う。
天人羽衣 清水真葵菜作 |
木目込み人形が生まれたのは今から270年ほど前の江戸時代の中期、京都の上賀茂神社に仕えていた高橋忠重氏が仕事の合間に、柳の木に木彫りを施し、その溝に神官の衣装を決め込んで作ったのが「加茂人形」。この人形が木目込み人形の始まりといわれる。
加茂人形は当時の武家、町民の風俗や動物などを題材に作られ、京都から江戸への土産物として珍重された。人形技術の継承がこれによって持たされた。
清水さんは「光源氏」に出合う前にも人形製作をしていたが、「光源氏」に出合ってから本格的に習い始めた。「深く学んでいくうちにその楽しみを多くの方と分かち合いたいという思いが生じてきました」と80年に人形作りの会を始めた。83年に習志野市から佐倉市に住まいを移したのをきっかけに「まきな会」と名付けて発足した。
供侍40体の一部 |
地域に根ざした活動を
趣味を生かした地域社会への貢献を模索してきたというものの当初の会員はわずか10人だったという。その後少しずつ増えて現在は25人。年に1度の作品展の開催を目標に創作に励んでいる。
その当初からの会員である菅原利子さんは「私にはひな人形がなくてどうしても欲しくて作ろうかと思いました」とその動機を話す。今では孫のひな人形を製作しているという。
「今年はひな人形を10数体、全部で100体ほど展示します」と清水さん。合同作品は「お殿様のお国入り」の題名で佐倉の殿さまが参勤交代を終えてお国入り、かごから馬に乗り換えて領内の暮らしぶりを視察している様子を表現したという。やり持ちなど供侍は約40体。
「現在は出品作品の製作に追い込みがかかっています。14日まで作業に没頭します」と18日からの作品展に向けて余念がない。清水さんは現在、県内7カ所のカルチャーセンターで教えているが、地域に根ざした活動も重視しており、その中心としてサークル「まきな会」を位置づけている。 |
上賀茂流真多呂人形 「まきな会作品展」
18日(火)〜23日(日)、旧堀田邸(京成線佐倉駅徒歩15分)で。
佐倉・城下町400年記念協賛事業。作品展は無料だが、旧堀田邸の入館料310円が必要。問い合わせは Tel.043・486・2978 |
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