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地球のエネルギーを実感するエンジェル・フォールは落差が979メートルの世界最長の滝(ベネズエラ)=高さん提供 |
265カ国・地域を巡る
265の国・地域を45年かけて巡り歩いたのは我孫子市我孫子の高康治さん(76)。高さんは大学卒業後、大手商社に就職した。そこでクウェート、インドネシアのジャカルタに駐在した。商社時代に100カ国・地域以上を回った。そしてリタイア後に毎年1カ月を超える日数を費やして国・地域を旅した。「7歳の時に終戦を迎えましたが、しばらく電力事情が悪い中で読みふけっていたものがありました。それが世界地図で、旅の原点です」。世界に大いに興味を持ったと高さんは言う。
小学生の時にすでに世界を見てみたいとの願望が芽生えた高さん。大学時代には英語をはじめ、さまざまな外国語の習得に力を入れ、総合商社に入社した。海外駐在を経験し幼少時の夢を一応成就した。
「リタイア後はツアーで世界を巡っていましたが、その後は一人旅です。危険度の高い国・地域も数多く行きました。アフガニスタンやソマリアなどです。地球の両極、南極と北極にも出掛け、外国人旅行者から“ワールド・トラベラー”と呼ばれました。旅行から帰ってくると、よく五体満足で帰ってきましたねと言われます」
「どこが一番良かったですかと聞かれますが、即座に南極大陸と答えます。ペンギン、アザラシ、クジラの姿に心が休まります。もう一度行きたいです」
高康治さん |
文芸社・1575円 |
高さんはこれまでの体験や経験をつづった「私はワールド・トラベラー 世界257カ国・地域を旅した男」(文芸社・1575円)を出版した。「本を出した時点では257カ国・地域でしたが、その後に8カ国・地域を回りました」。本書は単なる世界を物見游山した旅行記ではなく「真の国際化とは、真の国際交流とは、真の国際平和とは」—などを考える提言書ととらえてほしいとしている。
また世界を旅した際に購入した民族人形などを展示した「世界の人形館」を4年半前に開設した。これは自宅のマンションを開放したもので人形は2000体以上のほか世界の紙幣・コイン数万点、万華鏡、置き物、仮面、時計、地球儀、木彫りなどを展示している。「中には珍品もあります」と家の中は収集品でいっぱいだ。それぞれきれいに地域ごとに展示されており、見る人を飽きさせない。
「国の位置は地図よりも地球儀で見るのが一番です。地球儀を所有している家庭が少ないのでとりあえず我孫子の小中学校19校に地球儀を寄贈しました」と少しでも地球儀になじんでほしいという。
「後期高齢者なのでいつまで旅を続けられるか分かりませんが、病気みたいなものですのでね」と意欲満々だ。 |
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