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民話を語る独演会 「千葉民話の語り部」ひがき順子さん |
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千葉の民話を語るひがきさん |
12日に千葉市文化センターで開催
「気力が充実している時に幕を下ろしたいと思います」と話すのは千葉民話の語り部・ひがき順子さん(71)。その幕というのは「ひがき順子 語りの会」というひがきさんの独演会。大きな会場でこの14年間に9回実施してきたが、12日の10回目を機に「大きな会は最後にします。これからは“ワンコイン語り寄席”と称して一人一人の顔が見える場で語りをしていきます」と息遣いが聞こえるような場所で演じていきたいと抱負を述べる。
ひがきさんは30数年前に読み聞かせを頼まれたのがきっかけで語り部に足を踏み入れた。
「そのころは図書館から本を借りて子どもに聞かせていましたが、自分でやっているにもかかわらず面白くなくてどうにかしなくてはと思いました」。そこでひがきさんは話を暗記して少し演じてみようということになった。「すると子どもが熱心に聞くようになりました」
ひがき順子さん |
95年に公民館から語りの指導を頼まれた。「しかし自己流のために指導となると失礼なると思い、落語家の春風亭小柳枝さんの下に通うことになりました。小柳枝さんのおかみさんとある会で一緒でしたので落語を聞きにいってこの方に教わることになりました」
間の取り方などを教わったが、あくまで語りでの指導をしてもらったという。そして99年に1回目の独演会を開いた。その時、春風亭小柳枝も特別出演してくれた。それ以降、紙芝居実演家の第一人者の右手和子さんに師事して紙芝居も演じることになった。
ひがきさんは「民話の語りは千葉の民話だけに限っています。私自身佐原(現香取市)の出身ですので千葉弁で語りますが、あまりなまりが強いと意味が全く分からなくなります。そのためにほどほどのなまりで分かるように伝えます」
ひがきさんの持ちネタは50以上に及ぶ。長い話で40分、短いと10分くらい。これをすべて暗記している。
そして昨年の10月に9回目を開催。その時のアンケートで10回目の演題が決まった。12日には山本周五郎作「初蕾(つぼみ)」、小泉八雲作「耳なし芳一」、南房総の民話「増間(ますま)のばかばなし」を語る。作品の主人公は酌婦お民、琵琶法師芳一、増間の村人。 「この3つの話が私と重なる何かを語りたいと心に決めています。ぜひ聞きにいらしてください。12日以降はどんな少人数のところでも500円を入れる木戸銭箱と私1人が出掛けていきます。これまで以上に真剣に修業の場と思い取り組んでいきます」と決意を述べる。 |
◆ひがき順子語りの会
12日(日)午後2時、千葉市文化センター(JR千葉駅徒歩10分)で。
語り:増間のばかばなし、耳なし芳一ほか。特別出演落語:春風亭小柳枝「柳田格之進」。2500円。TEL.043・245・2733 |
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