|
|
金子みすゞの詩を朗読…生きがいに 柏市の「金子みすゞ詩朗読コーチング会」 |
|
|
|
金子みすゞ詩朗読コーチング会の会員 |
|
東日本大震災が発生して、今月の11日で2年になる。そのときのACジャパンのCMで脚光を浴びた詩人・金子みすゞ。「数年前に小口ゆいさんによる金子みすゞさんの詩の朗読会があって軽い気持ちで聴きに行きました。その時の感動は今も忘れられません。これが言霊(ことだま)というものなのでしょうか」と興奮冷めやらぬ表情で話すのは柏市西山の永田清さん。この感動を人々の生きがいづくりに活用できないかと考え、2010(平成22)年10月に「金子みすゞ詩朗読コーチング会」を設立、精力的に活動を行っている。
永田さんの本業はキャリアコンサルタント、中小企業診断士。その傍ら英語ボイストレーナーとしても活動している。「小口さんの朗読を聴くまでは金子みすゞという存在は名前を知っているぐらいでした」
この日以来、すっかり金子みすゞに魅せられていった永田さん。すぐに買い求めた詩集を一気に読み終えた。その後もぼろぼろになるまで読み込み、その短い波乱万丈の金子みすゞの生涯を研究したという。
「朗読は専門ではありませんが、英語ボイストレーナーとしての経験から朗読コーチングを行っています」と永田さんはいう。活動は月に2〜3回2時間行う。「1回2〜3編の詩をじっくり朗読して言葉とリズムを味わいます。七五調でなじみやすい詩が多いので詩の世界にどっぷり浸れます」
朗読後、あすへの活力
右から晝間美知子さん、永田清さん、金子敏雄さん |
副代表の晝間美知子さん(62)は「この会はある新聞で知りました。私も金子みすゞは名前を聞いたぐらいでした。それまでも読み聞かせや宮沢賢治を読み解くなど活動していましたのですんなり入れました」という。
「私の苗字も金子、生まれも山口県で金子みすゞには親近感を覚えます。声を出すのが好きなものですから」と話すのは会計監査の金子敏雄さん(70)。
「彼女は生涯512編の詩を作りましたのでいくら朗読してもなくなりません。そしていやになりません。朗読終了後の会員のすがすがしい表情には、明日への活力とやる気に満ちているような感覚を覚えます。詩から豊かな生き方や心温まる人間関係、平易だけれども魂を揺さぶられるだけの言霊に満ちているのだと思います。朗読コーチングは地味な活動ですが、みすゞさんの詩を伝えることで社会に貢献していきたいと思います」と抱負を語る。 |
永田さんによる朗読指導 |
【金子みすゞ詩朗読コーチング会】
会員数34人。10〜80歳代。月に2〜3回公共施設で1回2時間活動。「日本語の勉強とともに日本文化の理解促進のため外国人にも参加してほしい」
問い合わせは TEL.04・7173・6746 |
【金子みすゞ】
本名金子テル。1903年4月11日山口県大津郡仙崎村(現長門市仙崎)に生まれる。西條八十から「若き童謡詩人の巨星」と絶賛される。代表作に「わたしと小鳥とすずと」、「大漁」。1930年3月10日没。26歳の若さでこの世を去った。 |
|
| |
|