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凧の製作に余念がない石栗さん |
子どもに製作・揚げ方など指導
「子どもが手軽に凧(たこ)を作れるようにしたい」と目を輝かせて抱負を話すのは野田市桜木の石栗照平さん(66)。2003(平成15)年から毎年、野田市子ども館で凧揚げ大会の指導をしてきた。またこれまでに各地方の凧を製作してきた石栗さんは集大成ともいえる初めて凧の個展を31日まで利根運河交流館で開いている。
凧を作るきっかけは95年当時、茨城県の利根町のニュータウンに住んでいた時に住人同士で「何かのイベントで地域の町おこしをしたいとの声が出て、検討した結果、凧揚げ大会をすることになりました。それも凧は自分たちで製作しての大会にしたい」とさっそく「利根町凧の会」を発足させた。
しかし全員凧作りは未経験。そこで大凧揚げで有名な埼玉県の庄和町(現春日部市)に出向き凧作りを教わった。そして翌年に6畳大の凧を製作し、凧揚げ大会を開催した。
石栗さんの凧作りを加速させたのは97年に名古屋市に単身赴任した時からだ。「休みの日に何もすることがなくて、それならば凧揚げが盛んな土地柄ですのでこちらの凧を作ろうと夢中になりました」
石栗照平さん |
名古屋古流凧の製作や田原けんか凧合戦に参戦、凧に深くかかわってきた。02年に現在の野田市に家を新築。そして野田市で凧に関する活動が始まった。「それでも田原けんか凧合戦は15年間続いています」とその面白さを語る。
石栗さんは廃絶した卯都木利さんの「龍ケ崎トンビ」の原版画複製・復刻や各地域の凧揚げ大会の支援など忙しい毎日を送ってきた。「65歳までサラリーマン生活をしてきたため土・日はすべて凧に関する活動でした」と話す。
「凧そのものは作れますが、絵を描くのが難しいですね。いろいろ研究して大空に舞った時にステンドグラスのように輝いて見える凧など作っています」と奥が深いと話す。
「私は当然、竹を乾燥させてからすべて作りますが、子どもが作る時には市販の木や障子紙を利用して手軽に作れるように工夫しています」
この正月も3カ所の野田市こども館で凧作りを教える。すでに終了した5日と12日、19日に親子での凧作りを指導する。「そして26日に野田市スポーツ公園でそれぞれ製作した凧で凧揚げ大会をします」とその日を待ちわびている。
凧を揚げる場所も限られているが、「子どもに教えることでその子が大人になってまた自分の子どもに教えてくれれば親子3代で凧揚げができるようになります。こうした光景がわたしの夢です」
石栗さんは日本の凧の会所属、愛知・田原けんか凧保存会関東支部会員、愛知・名古屋古流凧東海支部会員。 |
石栗照平さんの凧展
31日(木)まで利根運河交流館(東武野田線運河駅徒歩2分)で。
出品凧は新潟小千谷杯凧、田原凧、三条六角凧、龍ケ崎トンビ、江戸角凧、名古屋古流凧(虻・蝉・福助)ほか。無料。月・火休館。TEL.04・7153・8555 |
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