自分で製作した織り機で機織りする根本さん |
自宅に13機、「はた織り仲間会」結成
定年も近づいてきたときに、「老後は何をして楽しもうか」と考えていた矢先、テレビで年寄りが機織りをしているのを見て「なかなかいいものだなぁ」と胸に感じた船橋市夏見の根本和房さん(75)は「よし、機織り機を作ろう」と構想を練った。そして59歳の時に第1号機を完成させた。「機織りは指と足を使うためにボケの防止にもなるしタンスに眠っている着物や毛糸の再利用にもなります」とその後13機を完成させ、自宅を開放して「はた織り仲間会」を作り楽しんでいる。
根本さんが作る機織り機の材料はすべて物置を解体した時の廃材を利用している。
「もともと製図を描くのは好きでした。柏市沼南の障害者施設で機織りをしていると聞き、見学がてら織り機のスケッチと織り方を教わりました。東京に本社があるユザワヤの店舗には何回も足を運び織り機を見学しましたね。どのような構造なのかと。それで見よう見まねでの製作でした」
そして時間を見つけては織り機の製作に入った。1号機完成後に市販品を1台購入してさらに改良した。廃材利用のために完成した織り機は大きさや形も少しずつ違う。「でも機能は変わらないので十分に織れます」とこつこつと13機を完成させた。
これまでには鎌ケ谷の幼稚園の園長が園児のために製作してくれないかとの依頼があり「小型の織り機45機作りました。幼稚園バスの運転手さんや父兄の方に手伝ってもらいました。小さくてもお母さんも織れるものです」
「仲間会」は東京・池袋、松戸、鎌ケ谷、八千代などから10人ほどが集まってくる。毎週火曜午後1時〜5時まで根本さんの自宅を開放しており、この時間なら自由に織り機を使うことができる。
「参加費は1回500円ですが、お茶代や電気代でいただいています。60代〜70代までの会員がワイワイがやがやとおしゃべり半分で皆さん楽しんでいます」
反物で縫製した作品 |
着物などはリメークする場合が多いというが、機織りでは着物を裂いて使う。
「着物の色の組み合わせで、ある程度のイメージを持ちますが、できた反物は想像していたものと違うことが多いです。縦糸は何でもいいのですが、横糸には裂いた着物など使います。毎週通って2カ月で一つの反物ができる計算ですかね」といいつつも当然、個人によって仕上がり具合は違うという。
また織り方を覚えた会員は市販の織り機を購入して自宅で趣味として楽しむ人もいる。会員は全員女性で、織った反物を自分で縫製する。「ベストや帽子、大きなものになると上着などを作る人もいます」という。
「自分だけのオリジナルの反物で自分だけの作品を」と根本さん、会員を募集している。
問い合わせは TEL.047・422・8794 |