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65年の歴史を感じて 船橋の男声合唱団「HGメンネルコール」 |
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2010年の定期演奏会から(習志野文化ホールで) |
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5月5日に定期演奏会
船橋を拠点に活動する男声合唱団「HGメンネルコール」は1947(昭和22)年1月、市民らが「船橋に男声合唱団を作ろう」との呼び掛けで発足した。65年の歴史の重みを感じながら5月5日(土・祝)に「定期演奏会2012」を開催する。「今回の演奏は日本の合唱界に大きく貢献した清水脩、大中恩、高田三郎の名曲を歌います」と常任指揮者の大野敏彦さん(80)は話す。
同団は、名誉会長だった故・金子幸雄さんや、平塚幸之助現名誉会長らが当時船橋に住んでいた合唱界の実力者・秋山日出夫さん(76年没)に指導をお願いして誕生した。
団名の由来は秋山さんが自分の頭を看板にして「ハゲ合唱団でどうだ」と言い出したため、少しアレンジしてドイツ語音階のH(ハー)G(ゲー)を充て「HGメンネルコール」とした。まだ若かった団員が「みんなではげるまで歌おう」というわけである。
51(昭和26)年に入団した大野さんは「その年から3年連続、全日本合唱コンクールで優勝しました。私は59年にいったん退団しましたが、97年に復帰、99年に常任指揮者に就任しました」という。
大野さんが指揮者として復帰してから合唱団としての実力はめきめき向上したという。「音楽は楽しくないといけません。できない人に無理に厳しくしても辞めるだけです。一人一人スキルアップしてバランスのとれた合唱を目指しています。現在は演奏会に向けて追い込みの練習に熱が入っています」と大野さん。
会長の柏戸正英さん(79)は52年に入団、3連覇の有力な一員として活躍した。「医学の道に進みましたが、自宅にピアノがあった関係で高校、大学と先生に師事し学びました」
前列右から吉田貴司さん、菊地宏明さん、大野敏彦さん、柏戸正英さん、後列右から鈴木三夫さん、山内利家さん、村上忠彦さん |
全日本合唱コンクール 過去3連覇も
柏戸さんは千葉市柏戸病院の院長を歴任、現在は理事長として忙しい合間を縫って合唱団の取りまとめに汗を流している。
「時間ができましたので、前々から憧れていたこの合唱団に入団しました。以前は混声合唱団で声を出していましたが、月に5回のハードで熱心な練習を行っています」と入団1.5カ月の吉田貴司さん(73)は話す。
「会社勤めのころ転勤族でしたので、その地方の民謡を歌っていました。定年後に入団して腹式呼吸で発声練習をしながら1時間ほど散歩したところ胴回りが9センチ細くなりました」と思わぬ効用に喜んでいるのは入団17年の鈴木三夫さん(75)。
入団6年の菊地宏明さん(69)は63歳で定年となり、入団した。「高校、大学で男声合唱団に入っていましたが、その後63歳まで40年のブランクとなりました。でも基礎はできていると思います」
最年長の山内利家さんは87歳。52年の入団。その前は旧国鉄(現JR)の合唱団で活躍した。「その時に秋山先生の指揮で指導を受けました。いまはここまで(船橋市宮本町)流山市から通ってきます」と発声が健康の源といえそうだ。
広報を担当している村上忠彦さん(69)は「高校、大学で混声合唱をしていました。一度は会社の合唱団に入りましたが、仕事の都合で退団、私も40年のブランクとなります。ここには以前の会社の仲間もいますので」と居心地の良さを話す。
「ここの自慢は平均年齢69歳の合唱団が暗譜で20数曲歌うということ。なかなかできることではありません」と指揮者の大野さんは胸を張る。
「5月5日の演奏会では40数人の団員が精一杯歌いますのでぜひ聴きに来て下さい」と村上さんは呼び掛ける。 |
♪HGメンネルコール 定期演奏会2012
5月5日(土・祝)午後2時、習志野文化ホール(JR津田沼駅徒歩5分)で。
指揮・大野敏彦、ピアノ・桧山いづみ。曲目は男声合唱組曲・高田三郎作曲「心の四季」、清水脩作品集「普香天子」、「高原」、「智恵子抄巻末のうた六首」、大中恩のこどもの歌「いぬのおまわりさん」、「サッちゃん」、「よる」、ほか。1000円。
問い合わせ加藤 TEL.047・387・3095 |
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